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珍しい先制点

 翌日、午前の練習を有意義に行った俺達は、地元有名高校との練習試合を予定通り執り行うこととなった。


 相手校の監督は、結構なご年配の方だった。どうやら噂では、かつてウチの監督と甲子園で当たったことがあるチームの監督だったそうで、その時の交友がきっかけで毎年この合宿では対戦することが最早名物になっているそうだ。


 そんな感じで、対戦校……江川高校との試合は始まった。


 こちらのスターティングラインナップは、東東京大会決勝とまったく同じ構成となっていた。


 つまり、一番俺。ヒャッホウ!


 ……柄にもなくテンションを上げてしまった。この合宿、今日で三日目となるが、本当にとても有意義だ。


「プレイボール」


 主審の号令と共に、試合は開始された。


 今日初めて相対す相手ピッチャーに対して、俺は後続のことも考えて待球作戦を決行した。

 初球、ストレート。ストライク。

 二球目、ストレート。ボール。

 三球目、スライダー。ボール。


 ふむ。

 ここまで三球見た感じ、相手投手はオーソドックスなワインドアップからの右手投げ。ストレートの球速は体感百三十後半くらいな気がする。


 四球目、振りかぶったピッチャーが投じた球は、ストレート。ストライク。


 これでツーボールツーストライクの平行カウント。


 初回だからか、ペース配分を考えているのか、ここまで見せてきた球種は二種。事前情報ではストレートスライダー以外にもカーブを投じると聞いていたのだが、なるべく温存するつもりだろうか。


 もう少し相手の出方を見たかった俺は、五球目をカットするつもりで身構えた。


 ピッチャーが投じた球は、ストレート。カット。

 六球目、スライダー。これはボール。


 七球目、スライダー。カット。

 八球目、ストレート。カット。


 この投手のストレート、結構シュート回転してくるな。今の八球目、カットしなければボールだった気もする。

 念頭に置いての九球目、先ほどよりもストレートが真ん中寄りの軌道を通った。


「ストライク」


 あらま。ストライクか。今の球はシュート回転しなかった。


 ベンチに戻りがてら、俺は吉村先輩に近寄った。


「わりかし多めにシュート回転する球来ます。あとカーブは温存するつもりだと思う」


「わかった。ならストレートをレフト側狙うわ」


 理解が早くて助かる。吉村先輩、二遊間でコンビを組む時間も多いから知っていたが、やはりよく考えてプレーをしている。

 昨晩、プロには行けないだなんだと言っていたが、その割には真剣に野球に取り組むし、ううむ。先輩の真意が計り知れない。


 ベンチに戻って、相手投手の出方を伝えていると、バットにミートした強烈な打球音が響いた。


「ナイスヒット、吉村!」


 どうやら先輩、ヒットを打ったらしい。

 さすが。


 続く新井はセカンドフライに倒れたが、四番の柳田先輩がツーベース。その間に吉村先輩がホームに戻り、先制はウチとなった。

なろう界に野球を題材にしたラブコメは数あれど。


ラブコメを題材にした野球作品は極稀なのではないだろうか。

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