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CRIMINAL=9  作者: 下野枯葉
表裏を持った瘋癲
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八十三話 天啓をここに

 天から降り注ぐ星々の光はブルーケを隠す為に他の全てを照らす。

『どこだ……』

 伊勢は全く観測できないブルーケに戸惑い処理能力の配分を乱す。

 瞬く間の隙。

 アバートはそれを逃すことなく蹂躙する。

 立ち直そうとする隙を含めたあらゆる伊勢の判断が、全てアバートの判断より遅れる。

 辛うじて生き残った三体で流れを取り戻そうと、伊勢は残りのロボットを狂戦士と化したアバートから逃げる様に距離をとる。

 しかし逃げるロボットは次々とその機能を停止した。

 観測上の記録では突然の機能停止。

 理由を解明することが出来ないままふたりの少女に全てを刈り取られた現状。

「ここは伊勢の内側……つまりぜーんぶ見えてるワケだね」

 再びブルーケの声が響く。

 声の波動解析を行うが発生源を特定できない。

「じゃあ何でアタシを見つけられないのか? 答えは【実は観測している】だよ……わかんない? じゃあ、もう一度言おうか…………脳ミソ詰め直して来いよ」

『観測している? 戯言を。見えないぞ』

「高性能過ぎる。人間の真似をし過ぎ。この空間の完成度も高過ぎ」

『……まさか?』

「やっと理解したんだ。夜空の全てを人間は見ることが出来ない」

 伊勢に対し自信満々で隠密の原理を話すブルーケ。


「不完全を使い慣れていないのが敗因だね」


 全能とも呼べるAIを欺いたという事実はブルーケの能力の性能を物語る。

 鉄屑とふたりの少女のみを残してコスモス畑は星の光を乱反射する。

 静寂が火照った身体を冷まし始める。

『――――』

「……ん?」

 沈黙。

『――――』

「おーい、伊勢?」

 沈黙。

『――――』

 全く応答が無く、アバートでさえ不審を抱く。

瞬間――夜空の下のコスモス畑は消え去り、空間が元の部屋に戻る。

「……アバート! 撤収!」

 伊勢からの応答が無くなり、電子的な制御が失われている。

 これが伊勢の陥落に近しい状態であることは理解できたが、ヒェトラ達からの連絡が無い。

 つまり何らかの異常が発生している。

 即座に荷物を纏め、外に向けて走り出したふたりは残るふたりの心配を一つ浮かべた。


 警報が鳴り響き鼓膜の痛みに耐えつつブルーケとアバートは侵入経路を戻り搬入口へ。

 街のロボット達から聞こえていた規則的な営みの音は消え、内部からの警報音が届き続ける。

 混乱した状況。

 村からの連絡も、ヒェトラ達からの連絡も無い。

 再突入という作戦がブルーケの脳内に過った瞬間――

――スピーカーから声が届いた。




『みんな、久しぶり。さぁ……答えを聞こうか』




 それが暁啓のものであることに気付いたふたりは反射的に伊勢へ再突入を開始した。


こんにちは、

下野枯葉です。


寒暖差が目立つこの季節。

しっかり体調不良。

暑いと思って薄着で寝たら、朝方の寒さにやられました。

チクショウ。


さて

天啓をここに

神からの啓示……神にも等しい存在からの啓示も天啓と呼んで差し支えないでしょう。

もう会えない人間に会える喜び

それを私自身は知りませんから、計ることが出来ません。

その喜びが故にふたりは走り出します。

その先が見えなくとも。

頑張れ。


では、

今回はこの辺で。






最後に、

金髪幼女は最強です。

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