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CRIMINAL=9  作者: 下野枯葉
表裏を持った瘋癲
80/88

八十話 死地へ

 囲まれた現状。

 ヒェトラは冷静に少女型のロボットを蹴り飛ばし、破壊した。

 一方のモートレは混乱から立ち直る為に周囲の警戒。

 地面の中に沈み込む感覚と共に、部屋自体が降下する。

 エレベーターに乗ったような感覚はふたりの少女にとって珍しいものであり、横隔膜のあたりに圧迫感を覚え、気分が悪くなる。

 誘いに乗った結果、チームの分断が起きてしまったことに一抹の不安があるが、結果を噛み締めてヒェトラは指示を送る。

『目下の状況は芳しくない。伊勢の破壊を最優先事項に据えて動け』

 繋がるかもわからないが念のための通信。

 目の前のモートレは不甲斐なさを感じた表情をひとつ。

 勝てると確信した瞬間に足下を掬われた。

 それに対してヒェトラは冷静な対応を迷うことなく進める。

 私がここに来た意味が薄れる感覚。

 自分の中でヒェトラと相対評価を行っていた現実。

『通信はできない。諦めなさい……アキヒロの子供達』

 降下が完了した感覚と当時に伊勢の声が部屋に響く。

 そして壁の一面が開いた。

『さぁ入れ、私の私室だ。早くアキヒロに会わせてくれ』

 冷たい風が絡みつく様に足元に流れ込む。

 明らかに低い室温。

 真っ白で目が痛くなる照明。

 並ぶサーバー群。

 これが伊勢を構成する要素の核であることを理解し、背筋が凍る。

 人間が入ることを想定していない部屋。

 室温、サーバーの配置、照明の明るさ……あらゆる要素が人間を拒絶しているようにも思える。

「いいだろう姿を現せ」

 部屋の奥へ向けて歩き始めたヒェトラはそう呟く。

 後を追うモートレは笑みをひとつ。

『断る。君と目を合わせることは死を意味する』

「どこで知った?」

『君達の神経接続型のチョーカーを作ったのは私だ』

「……」

 受け入れたくない情報が耳に届き表情が曇った。

 モートレも同じような表情を浮かべた。

 伊勢という相手の掌の上……加えてヒェトラの能力が通じない。

 絶望に近い状況だ。

『おおよそ瞳に秘密があるんだろう。誰の記憶かは知らないが……服従か隷属の強制と言った所だろう』

 部屋の最奥にはモニターが一枚。

 伊勢の声が聞こえるスピーカーは天井にあるのだろう。

 心を抉る言葉は続く。

『強制とは言葉遊びが過ぎたかな? 共鳴と言ってあげよう。人間やAIの思考能力に対して感情を移す……』

 伊勢は言葉に煽るような抑揚を言葉に乗せる。

 明確な挑発。

 能力を暴くことでヒェトラの感情が揺れ、隙を作るのが目的だ。

 しかしヒェトラは驚きはしたものの警戒を解かない。



『なぁ、そうなんだろう――――響』



 その言葉を聞いた瞬間にヒェトラはホルスターからUSPを引き抜き、モニター目掛けて連続で弾丸を撃ち込んだ。

 発露した怒り。

 USPのトリガーが軋むほど強く引き金を引く。

 部屋中に発砲音が響く。

 モートレはその怒りに恐怖で膝を震わせた。

「お前を消す……塵の一つも残さない」


『ばーか』


 怨嗟が弾けた瞬間に伊勢の声が響く。


 同時にファントムがサーバーの陰から現れてハンドガンを構え、ヒェトラを目標に発砲した。


こんにちは、

下野枯葉です。


寒い。

最近寒い。

足先から冷たい。

きもちいい。


さて、

死地へ。

伊勢の御前へ。

悲しいよ。

ヒェトラとモートレは何を想って伊勢と相対したのでしょうか?

伊勢への恐怖は無かったのでしょうか?

もっと書いていきたい。

伊勢の異質さを。

でも、書いてしまうと辛くなるだけです。

良い塩梅を見つけましょう。

死地で踊ってください。

笑いながら踊ってください。

あはは。


では、

今回はこの辺で。






最後に、

金髪幼女は最強です。

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