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CRIMINAL=9  作者: 下野枯葉
2章 春雪と悪魔
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七話 狂戦士


 叫声と警報がけたたましく鳴り続け、兵士が困惑と恐怖に包まれ始めた。

 後退し、守りを固めるべきだ。と逃げるように呟いた兵士に合わせ、その他の兵士もその言葉に同意を示しゆっくりと内へ。

 天井に取り付けられた二門のタレットの後方まで後退し、息を整える。

 遠くからの断末魔の叫びに六人の兵士は後方に警戒を移し、瞬時に前方の不注意に気づく。

「壊せ」

 USPを構えたヒェトラがタレットを完全に無視しながら突っ込む。

 ――子供?!

 明らかな動揺。

 タレットが敵を捕捉し、銃口をヒェトラに合わせる刹那――

 ――それよりも速く壁を駆け、アバートが鹵獲した小銃でタレットを殴り、破壊した。

 人間が咄嗟の混乱から立ち直るのにかかる時間……約二十秒。

 ヒェトラは射線の通る三人に対し四発ずつ発砲。

 9㎜パラベラム弾はボディアーマーを貫通することはなかったが、首や眼球などの隙間に有効であり、あの世に送るには十分だった。

 倒れる兵士を遮蔽に、完全に内に入り込んだヒェトラは一切の躊躇いなく、正面の兵士の鼠径部を切り裂き、喉と眼球を突き刺した。

 残り兵士、二。

 状況を把握したふたりの兵士は合わせてナイフを取り出し、構えをとった。

 タレットを破壊したアバートは勢いをそのまま。慣性に従い遥か後方の空中にいる。

 『体格差』と『人数の有利』で制圧できると確信した兵士達は左右から挟撃を仕掛けた。

 ヒェトラが視線を送り、状況を認める。

 臨戦態勢を解き、瞳を閉じた。

 ――諦めた。

 ――いける。

 兵士は勝利を確信した。



 そこから先の記憶はふたりの兵士にはない。



 狂戦士の名が相応しいアバートだが、狂いの中にも巧さがあった。

 そして圧倒的な運動能力もあった。

 鹵獲した銃を驚異的な膂力で壁に突き刺し、そこを支点に慣性を反転。

 一方の兵士の頭を鷲掴みにし、頭を中心に転回。

 二七〇度転回した所で手を放し、もう一方の兵士の頭を壁に埋めるように蹴りを加えた。

 ナイフが床に落ちる音と、壁の欠片が転がる音が小さく響いた。


 アバートは命令通り『壊した』モノを数秒見詰めてから、意味を持たない言葉を数個並べて走り出した。

「各員、アバートが侵入した。警戒せよ」

 ヒェトラが現状を伝えると、諦めに似た溜め息が数個とブルーケの『えぇー?!』という声が聞こえた。

 モートレは手を合わせて『こっちに来ないで』と願いを一つ。

 暴走状態のアバートは殲滅力こそあるものの、隠密行動をしている際にはそれを全て壊す者でしかない。


 既に壊滅状態になりつつある長門内部でヒェトラは深呼吸を一つ。

 屍となった兵士の首を九〇度追加で回し、拾ったナイフを二本咥えさせる。

 小銃の弾薬を顔の周りに散らし、満足そうに頷いた。

「美しいじゃあないか? なぁ?」

 屍に優しく語り掛け、己の感性への共感を求めた。

「……」

 勿論返事はない。

「持って帰って飾りたいところだが……他の人間に見せる為にもこのままだな」

 USPを取り出し、眉間と喉を撃ち抜き、空になったマガジンを交換した。


 ビーとプーにアクセス状況を確認し、やはりメインコンピューターへのクラックが不可能であることを知り溜め息を一つ。


 メインコンソールからのアクセスか、物理的な破壊か。

 破壊衝動に駆られたヒェトラは大きく口角を上げ、ナイフを構え、静かに、素早く駆け出した。


こんにちは、

下野枯葉です。


ソシャゲが地獄の様に忙しかったです。

大変忙しく楽しかった。


さて、

狂戦士です。

アバートの狂い方の片りんを見せられてよかったです。

ちなみに、狂戦士が精密さを持ち合わせているのが大好きです。

アバート……もっと狂ってくれぇ。

でも、アバートのストーリーを書くと……つれぇよ。

涙を流しながら狂わせていきます。

そして他キャラも続々とストーリーを書いていこうと思います。

みんな良いキャラだから早く書きたいなぁ。

あ、追加キャラがもしかしたら来ます。

うまく動いてくれればいいなぁ。


では、

今回はこの辺で。





最後に、

金髪幼女は最強です。

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