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CRIMINAL=9  作者: 下野枯葉
3章 縊る道化
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二十七話 暁

 住人を鏖殺し終えたジンシーは老父の家に向かい走る。

 夜明けの様子を横目に見てチョーカーからの情報を思い出す。

 蘇った記憶。

 死ぬはずだった記憶。






 死を願う祖父。

 頽れた父の寂しい背中。

 訳もわからず見詰めることしか出来ない自分の体。

「ごめん……ごめんなぁ……――」

 祖父は昇り始めた陽を背に椅子の上へ。


 薄く広がる様な光が瞳に入り、眩しさを感じる。


「不幸になっちまったんだ……ワシがわるいんだ……」


 頑丈に作られた縄で輪を作り、首を通す。


 眩しい。

 眩しいよ。

 …………暁の空は眩しいよ


「ごめんなぁ……」

 笑顔が見えた瞬間に、祖父は椅子を蹴り飛ばした。

 縄を支えに宙に吊られ、あらゆるものが垂れ流しとなった。



 眩しい……眩しい…………眩しい。



 暗い。

「君は幸せになるんだ」



 現れた男に視界を塞がれ、光を感じることが出来なくなった。

「君を不幸の象徴になんてさせない。私がそれを許さない」



 真っ暗な視界で夜明けを認め、安心した。

 ここが私の居場所だ。

 そう何度も自分の中で繰り返す。


 さようなら……大切だった人。


こんにちは、

下野枯葉です。


暁。

夜半から明ける時。

暗闇が別れを告げて、煌々と陽が昇る。

ゆっくりと白みだす空のその奥に瞬間的に陽が現れる。

瞳を潰してしまう程の眩しさは突然に全てを照らす。

おいおい、もうひとりだろう?

闇の中に閉じ籠めてもいつかは陽の下に。


そう……誰かが語り掛けてきます。

夜明けは平等に。


暁。

眩しく、等しく、苛烈に魅せるんだ。


では、

今回はこの辺で。





最後に、

金髪幼女は最強です。



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