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ゴッドファーザープリンセス物語(仮)天使のミステイク  作者: 傘流 正英
第一章  転生編
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第三話  天使のアフターサービス

元極道のソフィア姫は、天使に文句を言ってやりたいようです。

みんな元気で、やっちょるか。

わしは、元極道のソフィア姫。

阿保の天使のせいで、こんな体になってしまったのじゃ。

うんちや、しょんべんは漏らしてしまうし、散々な目にあっておる。

まあ、赤子だからしょうがないと言えば、しょうがないのじゃが。

この間寝ていると、夢にあのアホの天使が現れおった。

わしは、文句を言ってやった。


「おい、お前なんでわしをこんな姿にしたのじゃ」

「様子を見に来たら、いきなり何言ってんの。おじいちゃんが、可愛い女の子がいいって言ったじゃん」


たしかに、言ってしもうた。

しかしじゃ、それを真に受ける馬鹿じゃとは、思わなんだわしが悪いのか?

いや、そんなことはないはずじゃ。


「おい、今すぐ生まれ変わる先をやり直せ」

「それはできないよ。もう受け入れたほうがいいよ。おじいちゃん」

「なんだと」


馬鹿天使が言うには、わしの意識と記憶はだんだんとなくなっていくというのじゃ。

そして、そんなことばかり考えていると、不幸になるというのじゃ。

なんたる理不尽。


「まあ、そんなに落ち込まないでよ、おじいちゃん」

「ああ、そうじゃな。さすがに不幸は嫌じゃからな」

「そうそう、もっと前向きに考えようよ。初仕事のおじいちゃんには、幸せになってほしいしね」


この馬鹿天使は、他人事だと思って無責任なことを、堂々と言っているのじゃ。

今すぐにでも、げんこつを喰らわせてやりたいが、夢の中でも赤ん坊の姿で、手足が思うように動かせん。


「無責任なことをって、思ってるでしょ」

「あたりまえじゃ」

「ちっちっちっ、それが、ある程度なら未来が分かっちゃうんだな~これが」


この馬鹿天使は、信じられぬことに、未来が分かるというのじゃ。

だったら、こんな体にするなという言葉を、わしは飲み込んだのじゃ。


「それは、本当じゃろうな」

「今更嘘をついても、仕方がないでしょ。わたしの、早とちりでこうなったんだから、アフターサービスしてあげる」


わしは、こやつのアフターサービスとやらが、少し不安じゃった。

しかし、無いよりはましじゃろうと、こやつに聞いてみた。


「アフターサービスとは、どんなことをするのじゃ」


馬鹿天使の話によると、例えば道に迷ったときには、右の道を行けと教えてくれるらしい。

信じるかどうかは、わし次第ということじゃが。


「幸せになれる道を、私が教えてあげるんだから、間違いなし」


不安じゃ・・・


「何その顔。何か文句でもあるわけ」

「いや、なんでもないぞ。気にするな」

「あっ」

「どうしたのじゃ」

「もうすぐおじいちゃん目が覚めるみたい。それじゃ、おじいちゃんまた来るね~」

「おう、待っとるからな~」


それからわしは、一時間ほど、ねむっていたのじゃ。

やっぱり不安じゃ。


元極道のソフィア姫は、不安で満ち溢れているのかなぁ。

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