第一話 姫爺ちゃんのプロフィール
男嫌い、爺のような言葉使い、おかしな姫様の物語。
ある異世界に、男嫌いの姫様がいました。
この話は、男嫌いの姫様のお話です。
私が仕える姫様は、口があまりよくありません。
というか、よくありません。
兄君たちのことを様をつけて呼ばないのです。
皇太子である、グレン様の事もです。
逆に、兄君たちから相談をうけるしまつです
「なあソフィア、相談があるんだけど」
「ん?なんじゃ、言ってみろ兄グレンよ」
こんな、具合です。
わたしは、せめてアニ様と呼びませんかと、ソフィア姫に言ったことがあります。
ソフィア姫の答えは、
「アニ様じゃと?絶対に嫌じゃ。気色の悪い」
でした。
このソフィア姫のことは、周辺諸国まで知れ渡っています。
そして、ついたあだ名が「ソフィア爺」。
みんな、そう呼んでいます。
ソフィア姫には、可愛い弟君のカール様がいます。
カール様は、とてもソフィア姫に懐いています。
でも、
「ソフィア姉さま~」
ごちん!
「痛いよ、ソフィア姉さま」
ごちん!
「カールよ、いつになったらその姉さまというのを、やめるのじゃ。お前は馬鹿なのか?」
弟君の、カール様にもこんな具合です。
どうやら姫様は、女扱いされるのが嫌なようです。
でも、わたしが姫様と呼ぶ分にはよいようです。
その辺の、物差しは姫様にしか分かりません。
こんな姫様ですが、侍女の私やメイドたちにはとても優しいお方です。
以前、どこぞの馬鹿侯爵の息子がメイドにちょっかいを出したときには、
どどどどどど!っとそのメイドの処へ走っていき、バカ息子に飛び膝蹴りをくらわしてこう言いました。
「わしのメイドに何をするのじゃ!決闘じゃ!表に出ろ!」
こんなふうに姫様は、ご自分のことを顧みずにメイドを助けてくれるような、お優しい人なのです。
こんな無鉄砲な姫様のおかげでわたしはいつも、ひやひやしていますが。
そんな姫様にも、とても気の合うお方がいます。
そのお方は、第二王子のダラス様です。
「久しぶりだな、ソフィア」
「ダラス兄か。いつ帰ってきたのじゃ」
「ぷっ。そ、そうだな、少し前に帰ってきて、父上に戦況を報告してきたところだ」
姫様と喋る時、ダラス様はいつも笑いを堪えているようです。
ダラス様は、戦場にわざわざ立つ必要はないのですが、王家のものが戦場に立たなければ、兵士たちに示しがつかないと言って、戦場に向かわれます。
半分以上は、ただの戦好きのようですが。
「お前の、その爺みたいな口をきくと、帰ってきたと実感するな」
「それはよかったのじゃ。わしも、戦場に出てみたいものじゃな」
「お前も、一応王女なんだからそういうこと言うな」
「それもそうじゃな。この国を頼んだぞ、ダラス兄よ」
「おう、任せろ」
ソフィア様には、もう一人リンダ様という一つ違いの妹君がいます。
ソフィア様は、この一つ違いの妹君にはとても甘々です。
リンダ様が、「ソフィアお姉さま」と呼んでも、笑顔でこう言います。
「どうしたのじゃ、リンダ。なんでも言ってみるのじゃ」
と、優しく微笑みます。
リンダ様がとても素直なお人でよかったです。
もし、リンダ様が王座を狙ったりしたら、きっとそれに巻き込まれたに違いありません。
リンダ様の味方として・・・
そして、姫様は王様や、王妃様に対しても姫様は、
「ソフィア、その喋り方どうにかならないの?」
「母よ、これがわしなのじゃ。諦めてほしいのじゃ」
「こんな喋り方教えた覚えはないのに・・・よよよ・・・」
王妃様は、いつも嘆いていました。
王様はと言うと、
「お前の喋り方は、もうどうしようもないな」
「当たり前なのじゃ。父からも母に諦めるように言ってほしいのじゃ」
こんな姫様ですが、みんな姫様のことが大好きです。
なぜこんな風に育った、姫爺様。