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放課後の図書館  作者: 松田
2/14

好きな所

学校は嫌い。

だけど学校帰りは好き。厳密には帰りにいつも寄るとても大きな図書館が好き。

私が通う図書館は3階建てで、一回には児童書や小説など主に置き、2階は論文などで埋まっている。3階は図鑑やハウツー本、参考書などが置いてあるが、大量の机や椅子が窓際に整然と並んでいるのでいつも調べ物をする人や受験生が使っている。

この図書館の規模に、私は最初は圧倒され、使い慣れるまでに1ヶ月かかった。

だから、本当につい最近やっとなれてきたところだ。

そして、なにも私が好きなのはこの規模だけではない。

この図書館には広い庭がついていて、椅子とテーブルも置いてあって、外で本を読むこともできるようになっている。

おまけに正面から見たのではわからないが庭から見るとその図書館はまるで洋館のような雰囲気もあり、私は柄にもなくときめいてしまった。

この図書館に寄るために学校に行っていると言っても過言ではない。

今日私は何を読もうか考えながら図書館にやってきた。

あ行の作家から順に見ていきその日心が惹かれたタイトルの本を手に取る。それが私のスタイルだった。昨日はなかなか来るものがなくて『宮沢賢治短編集』というのを読んだ。何となく懐かしの『注文の多い料理店』を読みたくなったからだったが、それよりも『鹿踊りのはじまり』の方が好きになってしまった。

嘉十という男が鹿にやろうと残したとちの実ほどの栃の団子を6匹の鹿が食べようとするが、嘉十の忘れた手拭いを何か得体の知れないモノに思い、なかなか手が出せないでいる鹿の話しだ。鹿からしたら真剣なのだろうが、読者からしたら鹿がとてもシュールで滑稽なものに思えてしまいかなり楽しかった。

今日は珍しくあ行のうちに読む本が決まった。『伊藤たかみ』という作家の『指輪をはめたい』だ、あれにしようと思い手を伸して取ろうと、背表紙を掴んで引き抜くと、横から「あっ」と言う声が聞こえた。

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