表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/30

《夜を舞う》

「じゃぁ、ちょっと上まで行ってくるわね。他の人たちは、暫くこっちの様子を確認したら動くようにして」

「え、直ぐに動いてはいけないんですか?」

 ラミスの言葉を聞いて、移動する準備をしていたヘレンが訊ねる。

「用心のため、ですね?」

 途中から合流してきた森妖精……シルファーンが模範解答を答えてくれた。

「そうでーす。よくできましたー」

 ラミスはそれに答えながら、軽く手を打って美人の森妖精を褒めた。

 褒められたシルファーンが照れたように、微かに頬を染める。何だかその仕草が、まだあまり人に慣れていないようで妙に可愛い。

「万が一アタシが移動したのに気付かれたら、暫くその場所は注目されるでしょ?直後から人が動いたら危ないから、誰かが移動した直後とかは、ホントは移動しないようにした方が良いの。一人くらいならあまり問題ないけど、集団移動の場合は、一応ね」

「いーからさっさと行けよ。こっちは俺がちゃんとするから」

 ティルトがうんざりしたように手を振る。

「またアンタは。上からちゃんと見てるから、手抜きすんじゃないわよ」

 ラミスはカチンと来たが、ティルトに釘を刺しておく事を優先した。

 この草原妖精は二重三重どころか、十重二十重とえはたえに釘を刺しておかないと、碌な事をしでかさない。

「先に出るか……追い回されても堪らねぇし」

「いーから大人しくしてなさい。……ったく、しょうがないなぁ……えぃっ」

「痛って!?」

 ラミスはティルトの額に軽く蹴りを入れて、その反動も利用して一気に上空へ舞い上がる。微妙に非難の声が聞こえた気もしたが、上空を舞うラミスはそれを封殺した。

 雲間に見え隠れする月光を僅かに浴びながら、木々の動きや不自然な動きを見逃さない程度の高さに留まると、先ずは足元に見える広場を確認する。

(……どうやら気付かれて無いみたいね)

 春も近いとはいえ、夜の上空はまだまだ肌寒かった。

(『万が一』を考えると、アタシもあまり長居したくないけど、仕方ないしなぁ)

 ざっと周囲を見回した感じ、近くには足元の集団以外に不自然な気配は見当たらなかった。それが確認できたのなら、そろそろ下に合図を送ってティルト達を出発させても良いだろう。

 そう思って、下を見た、その時。

 不意に、ラミスの身体に影が差した。

 少し遅れて、突風のような風。

「えっ?」


 ――――何かが居る。


 思わず振り向いた、その瞬間に、ラミスの身体は後ろから何かに突き飛ばされていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ