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《章間 ~愚行~》
夕闇を背負い、周囲に昼の気配も失せ、暗闇と化した森の中。
「へ、へへ……」
男は一人、ツボを運んでいた。
仲間達は皆、突如として現れた若者にのされて、散り散りなってしまった。
それでも自分だけが、獲物を手にして脱出したのだ。
アジトへ戻れば、何人かとは合流できるだろう。
しかし、折角一人で手に入れたお宝だ。
仲間達で山分けにする前に、一度ツボの中身を確認して、誤魔化せるものであるならば少しだけでも、中身を誤魔化しておかなければならない。
男はツボに張り付いていた封印を、後で見られた時にばれないように丁寧に外すと、その蓋に手を掛けた。
――――そして、闇が世界を支配した。




