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彼女が決めたのは、結局のところ、彼女のためになにをすべきか、ということなのだが.2

『システムコード・ヴァルキュリア Typerune スタンバイ』

 西方区画指令室が一層慌ただしくなる。警報は引っ切り無し。アーサーもレダも、その場にいる十人以上の全ての局員が、声帯が引き千切れる程声を上げ、状況を通達し合い、また多くの断末魔を聞いていた。

 だが司令であるマジソンの手元にあるたった一つのモニターが表示する文字だけは対照的に、酷く静かに一報の任を行っていた。

「“アレ”が動いた……だと……?」

 信じられなかった。画面によると“アレ”は既に機動を始め、あろう事か実射体勢に移っているという。

「今まであらゆる者の干渉を拒んで来た機体が、なぜ今になって……」

 もしや都市の危機を察知した、とでも言うのか。開発の経緯こそマジソンは知らないが、もしディザスターの接近を感知した時のみ動力に火が入るというシステムが組み込まれているとしても、それを開発陣が知らぬ筈はない。

 だがそれでは、現状、あれに適合する因子が現れたとでもしなくては説明が付かない。

「そういう事なのか……」

 つまり、時が、来たと。

 “アレ”のスペックは未知数だ。メカニックの中には“アレ”一機でフェアリー一個小隊に匹敵するという意見すらある。

 勿論未知数というのだから、それ以上の動きを見せる可能性もあるという事だ。

 この戦いでルーブルシアが陥落する事はないと言われていた。とはいえ、それでも甚大な被害は免れないだろう。それを最小限に食い止める事こそが、今の彼らの仕事だ。

「光明が見えてきたな」

「そう……なんすか……?」

 しゃがれ切った声で、アーサー。

 この年代の若者はよく知らないのだろう。アルアトリアでの戦争を。人類がディザスターから地球を奪い返した、あの戦争を。だがマジソンは知っている。“アレ”がどのような物で、どれ程の希望を創り出したかを。

 尤も、今動いているのは“アレ”とは別の存在だ。それでも、伝説の再来とあれば、自然と口角も滲み上がるというものだった。

 血の中が疼く。再び姿を見せた人類の希望に、マジソンの中の青年は大手を掲げ、その身を奮い立たせた。

 

 幾何学的な言語を読み解く事は出来ない。だが機械はハルを認識すると現代の言葉をスクリーンに書き出し始めた。

『キドウ、ニンシキ、テキゴウシャトサレルハケイヲケンチシマシタ。コレヨリオートオペレーションモードニイ行。適合者のステータスをインプットします。H151W40・836185R21L20RA29LA25……形状放射型安定…………網膜形状認証。搭乗者のデータ登録を完了しました。以後のオペレーションは機体の指示に従って下さい』

 言語が最適化されたのは幸いであったが、生憎と機械がなにを差しているのかは、根本的に理解出来ない。ハルはただ呆然としながら、右から左に流れていくスクリーンの文字を目で追っていくしかなかった。ただそれを理解の一つでもしようとしない限り、思考は段々と無関係なところに浮遊して行ってしまう。

 最後に覚えているのは、あの人の発した“また後で”という言葉と、空薬莢が地面を弾く音だった。鼻腔にも火薬のつんとした臭いがしっかりと残っている。そして、目の裏に居座っているのは、自分を撃ったと思わしき、あの人の姿。

 恐らく、あの人は自分を撃った。黒い拳銃で、眉間を確実に。しかし、それがさしあたって憎らしい事かと自問すると、不思議とそれはないだろうと否定したくなった。

 あの時ハルは、身体が急激に冷えていくのを感じながら、自分を撃った人物の声ではなく、脳に直接聞こえて来る不思議な声に耳を傾けていた。声がなにを言っていたかは覚えていない。曖昧だった意識が、曖昧な記憶に呼び起されている。現状、今ここで思い出せる事はなかった。せめて感触だけはと思い額を弄ってもみたが、血液どころか汗の一つも付きはしない。

 ハルの眼前で流れていた文字列が、スクリーンの真ん中に来るなり停止した。それまで続いた文字列はどうやら目的を達したようで、それ以降は尻切れしていて、もうクドクドとスクロールを続ける様子はなかった。勝手の分からないハルはなにか準備中かと思ってしばらく様子をみるも、特にこれといった反応はない。倒置された数個の横文字が、それこそ最後の押印を待っているかのように、出現と消滅を一定の間隔で繰り返しながら、スクリーンの真ん中で点滅を続けている。

 その並んだ文字は、全てハルの知る文字で構成されていた。

「『システムコード・ヴァルキュリア Typerune スタンバイ』……」

 聞き覚えのない言葉だった。だがそれを口走った途端、意識が身体を透過していくような感覚に見舞われる。

「うっ――」

 思考が、透き通っていくのが分かった。

 いや、なにかが違う。透いているのは、人間の入力装置だ。目が、耳が、鼻が、口が、肌が、そしてその延長にある意識のようなそれが、手の届かないところへと広がっていく。

 そして、なにも見えなくなった……否、“全てが見えるようになった”のだ。スクリーンですら必要ないのかもしれない。それだけの感触が、リアルタイムに体の中に流れ込んでくるのを全身で感じていた。

 風の向きはない。臭いは、相変わらずの、あの鉄錆の機械油と埃臭い感じ。

 コックピットに閉じ込められていては分からなかった事が、分かる。今機体の右手になにが当たっているのか。足になにが乗っているのか。視野角聴覚だけでは分かり得ない生の情報が、インターフェイス越しにハルの神経まで伝播される。おかしな話だ。本来インターフェイスはつまるところの入力装置。だがそこから逆流しているこの感覚は、確かにあの時のものに少し似て、ハルに物の感じ方を教えていた。そう、初めての実機演習の時……ハルが初めてフェアリーに乗り、そして、その心に悪魔を根付かせたあの時の感覚に似ていたのだ。

「…………あ、違う」

 だがハルは、まるで自家製のコーヒーでも飲んだように、あっけらかんと言い捨てて見せる。確かに似ているかもしれないが、それは風吹けば涼し……そんな前提条件染みた類似でしかない。

 この機体には、前のフェアリーには絶対的になかったのもがある。

 あの時感じた、解放状態のまま背中を手放す感覚とは決定的に違う。まるでなにか暖かなものに背中を包まれているようだ。そんな母性のような安心感がこの機体にはあった。この人には絶対に裏切られないという信頼を、自信を持って扱える。前だけを見詰め続ける自分でも、なにがあっても包み込んでいてくれるという揺るぎない確信。

 それは母性と言い切れるのではないかと思えた。もうずっと昔に失ってしまった記憶が、ハルの眼の裏からそっと流れていく。

 ようやく忘れていたものを、ハルは感じる事が出来た。この背中を押す、そよ風に似た追い一風を。

「立ち上がって……」

 声に出す。ハルがそう言う前からフェアリーは四肢を駆使して立ち上がろうとしていた。声に反応したのではない。ハルがそう思ったから動いた。トレーラーに手を突くように、両腕の駆動系を稼働させる。

 構造上フェアリーという機体は起立しない。だがこのフェアリーは、飛ぶには不要と人類が捨てたものを、敢えて備えていた。そのかつて跨ぐらから放棄した一対の柱は、人型の質量を支え、自立を促す心中の支えだ。

 重量や高さに従来のフェアリーとの差は殆んど見られない。となれば、高さ十メートル程の倉庫の天井には当然届かない。あそこを突き破るには飛び上がるしかなかった。

「えっと……」

 武器を探す。傍らに一丁、黒光りする長身のライフルが横たわっていた。そちらを見ると、視界の端、スクリーンの脇にポップアップが現れる。簡略化されたこの機体の立ち絵だ。白いその姿の中、両腰部のスカートアーマーだけが黄色く点滅している。その意味と、そして機構を把握する。少し特殊なようだが、この機体と他のフェアリーの操縦方法にさほど大きな違いはないらしい。点滅する腰部位には、光剣と表示されていた。

 ライフルに目を。本来なら、グリップ辺りに手を翳して、そこからはオートにする事で取得のサポートが行われる。だがこの特殊なフェアリーは、まるでハルの意思に反応するように手を伸ばし、オートに移行せずラックに横たわったライフルを掴み取った。

「これ、凄い……ジャケットの感度が良過ぎるだけじゃない」

 拾い上げたライフルを覗き込む。グリップ部の凸一つ一つは、甲羅のように頑強。無骨な鉄鋼は、冷徹で寡黙なガンメタル。頼もしいその質感は、実際に手にした時と同様にハルの下まで届いていた。

 引き金に指を。これも手動だ。しかしその手動は機械にインプットされたマニュアル駆動などとは違う、完全なる手動。指先の関節の一つに至るまで、その全てがハルの管理の下で動かされる。

「……分かる」

 ボソリ。自信は確信へ。この機体は、もう自分の手足だ。ディザスターを倒す事から、ティーカップを掴む事まで。果ては洗濯物だってこなしてみせる自信があった。

 立ち上がるという事。物を持つという事。そしてそれを利用するという事。

 人類が地上の覇権を握るための第一歩となる全てはそこから始まったと言われている。

「あなたの、名前は?」

 そして、言語を操り、伝播を司る。人と人との意志を繋ぎ、輪を作って幾千もの力になる。

 スクリーンいっぱいに表示される、黒いプログラムウィンドウ。羅列するライトグリーンの言語が機体のコードネームを映し出した。

「ブリュンヒルデ……“勝利の言の葉を繋ぐ者”」

 その意志は、全人類の勝利を望んでいた。生き抜くと決めた時から、その意志は前しか見ていないのだろう。故にかの親は冠したのだ。後世への意志と、勝利の力を――ここに。

「行こう。みんなを助けに!」

 膝を僅かに折り曲げると、そこに莫大な力が集中して行くのを感じた。解き放つ。上方への強い力の反作用にハルの身体が押し潰される。

「っく……!」

 屋根を突き破る。鋭く天高く、瓦礫柱が勢いよく立った。機体の足は地を遥か離れ宙にある。だが重力に捕まる事はなかった。機体後部。腰部から肩に掛けてダイヤ色の光の翼が粒子波のように伸び、その透いた面体を広げ、重力の干渉を振り払う。

 それでも、ハルの機体の動かし方は従来のフェアリーとなんら変わらない。どうしたいか考え、思い、自分の意志でその翼を羽ばたかせるのだ。

「行くよ、ブリュンヒルデ!」

 上体を、前へ。足を強く踏み出す。握られたライフルより遥かに頑強なハルの意志が、この変わり種のフェアリーを加速させた。

 そうして、イリアが死守する戦場まで僅か五秒足らずで辿り着く。

 現地にて、飛来したフェアリーに誰よりも動揺を隠せなかったのはイリアであろう。

 だがハルは、眼下に着陸したフェアリーの搭乗者がイリアである事を知らない。

「先ずはこいつらを倒して、それから……!」

 この時点でハルがイリアの存在に気が付いてしまえば、友人の危機に対し、過度な防衛意識を持ってしまったかもしれない。だが彼女の存在に気が付かない以上、ハルはただひたすら、専念する事が出来る。

 

 対峙する。立ちはだかるは、現地球上全ての覇者であるディザスターの群れ。

 立ち向かうは、己が意志に忠実に突き進む事を決めた、たった一人の少女。その少女が駆るは、人類の勝利の意志。

 狩るは、故郷と親と親友の、仇。

「見ていて、ルーちゃん……お母さん!」

 手前のドームレーダーが緑色の球体に光点をずらりと並べた。ハルを後尾に前方、十二度に一つ、四十度に三つ、九十度に二つ、百八十度に二つ。

 総じて突き刺さる敵意。ハルは臆する事なく、正面から激突する。

 最大級の前進を見舞う。

 ディザスターは群れを解除し、ハルを包囲すべく網を広げ拡散する。だがハルは迷わず網の真ん中に突っ込む。散り散りに動くディザスターに包囲されながらも、腰部にマウントされた光剣に左手を添える。正面のディザスター目掛け、抜き打つ。的のように立ち止まった蛾型のディザスターを防御する節足ごと両断した。

「そこッ!」

 振り向き様。右手の人差し指でトリガーを二度三度叩く。単発式の長大な虚無弾を含んで銃口が一瞬煌めく。虚無弾が後方のディザスターを突く。正面から虚無弾を吸い込んだディザスターは内部から甲殻ごと爆散。飛沫と肉片が飛び散り、夜の街に落下して行く。

「誰にも当たらないように……!」

 コックピット内部に突如警告音が響く。

「上!」

 ハルはスクリーンなど一瞥もしなかった。赴くまま身体を傾け真上を目掛けて発砲。灼熱色の虚無弾がディザスターの眉間を突き一撃で焼き払う。

「もう一つ!」

 続け様にもう一撃。街を破壊し続け、プリシアを泣かせた、見覚えのある蚊型のディザスターが灰となって破砕する。

 今度は下方。否、後方――

「挟撃……!」

 下方に四体、後方に三体。ハルを目掛けて一挙に突撃して来る。

 ライフルを向ける。後方に向けて三発。光剣に触れるか触れないかの距離に手を待機させ、下方を睨み付けた。小蝿のようなディザスターの羽を虚無弾が掠め、バランスを崩壊させる。もう一撃がそれを追撃し、もう一撃が二体目を貫通する。

 一体を討ち漏らした。ハルは煩わしさに歯噛みする。そのまま下方へ急襲する。だがディザスターもその進撃を止めようとはしない。

 声を荒げる。日常を送るハルからは、先ず窺う事の出来ない怒号。怒りを推力に鉄槌を振りかざす。

 先頭の一体を抜き打ち。両断。掴みに掛かったもう一体に至近距離からの虚無弾を三撃。次の突撃を一重でいなすが後方から来るもう一体に捕まった。

「あぐッ……!」

 強い突進を受け機体はもんどり打って大きく揺さぶられる。切り返した先の一体の一撃が肩を強打すると錐揉んで打ち落とされる。

 痛みと驚愕にハルは口から悲鳴を上げた。教官に打ち勝つ事が出来たとしても、まだ年端もいかぬ女の子は、強大な敵に恐怖を覚えてしまえばあっという間に精神から体のコントロールを奪われて動けなくなってしまう。例えどのように気丈であっても、遺伝子の根底に脆さが潜む限り、人間は最大の弱点を払拭出来ない。

 コントロールを失った機体が、バランスを崩して落下して行く。損傷こそないものの、軌道を逸れた翼では大気を掴む事は出来ない。

 衝撃注意のアラームと敵影接近の警告音が、高度異常のサイレンと共にコックピット内部にギャンギャンと鳴き喚く。ハルの双眸が、恐怖に瞼を縛る。その下界では、ハルを待つイリアの悲鳴が上がった。

 だが、激しく撃ち付けられ、天地さえ失ったコックピットにいては、最早操縦どころではなかった。感じた事のない強制的な回転にかき混ぜられる恐怖は、ハル個人の力でどうこう出来るものではなかった。

 だが“勝利を冠する者”は、今にも崩れ落ちようとしている少女の未来に導きを、脅威に混乱する少女の精神に、鋼の温もりと、その起点となる支柱を打った。

「…………!」

 声が、聞こえた気がした。

「まだ……!」

 立ち上がる。目を塞ぐような恐怖など、怖さなど、全て振り切って制動を取り戻す。

 だが宙でハルが立ち直ったところを更に追い打つものがある。

「く、う……! うわあ!」

 まだ起き上がりきらないままの身体で激突を受ける。折り返してはその堅い甲殻の撃槌を受け、制動を奪われ、また取り戻しては奪い返される。

 ハルは一方的な攻撃に晒され続けた。トレーラー程の質量に何度も突進される度、コックピットごと大波に放り込まれたように振り回される。今一度高度を律しようにも角度が取れない。ダメージが上昇し、各部に徐々に不具合が蓄積されている事を前面のスクリーンが報じた。だが、逃れようにもこの波を凌ぎ切るためのきっかけが掴めない。反撃も回避もままならない以上良い的でいるしかない。辛うじて急所だけは逸らしているものの、それもいつまで保つか分からない。

「なにか反撃を……!」

 だが急場の手法など役に立つ筈がない。そもそも有翼兵として訓練を受けていないハルには、その付け焼刃の手の内すらなかった。確かに、フェアリーを駆るハルは強い。だが肝心のそのスキルは、有翼兵として、事集団戦に於いてはまるっきり素人そのものであると言える。如何にハードが優れていても、如何に処理装置が高速で、入出力が優秀でも、ハル自身にはなんのソフトも搭載されていないのだ。

 しかし“勝利の言の葉を繋ぐ者”は、英知さえ、その断片をハルに教え付けて見せる。

 開く。目を見開き、目の前にある全てを目視する。

「…………!」

 それは、ハルの力の一端として顕現したものだったのか。それとも、あくまでブリュンヒルデが自らの意志でハルの目にその勝利を映し出したのか。

 矢のように突き進む、ディザスターの“線”。軌跡さえ描かぬ無機質な生命体の“意志”のようななにかが、白線となってハルの目にはっきりと映り込んだ。

 線路のように滑り込んでくるライン。機体の急所を一直線に狙い、後方へ逸れて行く。あれを、外して動けば良い――否、宙を舞う誰もが、そのような消極性を見せる事はない。目下与えられし英知より嚥下を下し一歩踏む。ただそこに、一槌あるのみ。

「そ……こだぁーーーーッ!!」

 正面から来る。だが、未だ上体を起こす事は出来ずにいる。だが、もうそんな事は関係なかった。要するに、相手を存分に切り裂けば、こちらの勝ちなのだ。ディザスターをギリギリまで引き付ける。体勢などわざわざ整える必要もない。丸見えになったディザスターの線に添えて、引き付け、光剣を抜き打つ。

 機体の落下は止まらない。その横を、真っ二つになったディザスターの胴体が落下して行く。ハルはそれに目をくれる事もなく自由落下に身を任せたまま次のディザスターの動きを待つ。

 ――一閃。今と同様にディザスターは砂でも裂くように別れて落ちて行く。だがやはりハルはそちらを見ない。そもそもハルには死んだディザスターが見えていなかったと言った方が物理的には正しいのかもしれない。今のハルには勝利の線、未来に続く一本の線のような、勝利と行き先しか見えていなかった。

 そして残った一体など、そもそも論ずるに値しなかった。虚無弾を消費する必要もない。制動を取り戻し、ただゆらりと正面に立ち会って、大上段。そして、振り下ろす。ディザスターの体が光剣を軸に千切れるように左右に裂け、その内部を見せ付けながらハルの視界の端を、ブリュンヒルデの両脇を通り過ぎて行った。


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