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魔王の話
うん、私はまだ死にたくない。でも廢縞十鬼なんて私にはどうしよもない。とりあえずいま危ないのは一人になることだ。いや、誰かと一緒にいても意味ないかもしれない。あのレベルなら一対多数でも全部殺せばいい。詰んだ、かな?
なんかあれだなぁ。最初の街を出たらいきなり魔王とエンカウントしちゃった的な。
文化祭が終わる。教室に集まって、ホームルーム。そこそこ盛況だったことを喜びあって心地いい疲れを噛み締める。私も同じようにしたかった。のに「捕食者」の影が私を捕らえて離さない。
ポツポツとみんなが帰宅を始める。死出くんが私の机を叩いた。
「廢縞十鬼を見たんだが、あれはお前とあいつ」成木を視線で指す。「どっちの関連だ?」
「……多分、私」
「殊更切味といい成木一花果といい意味不明な顔の広さだな」
呆れ顔で言う。
「仕方ねぇ。行くぞ」
「へ?」
「お前が殺されたらお前から名前を奪えないだろ」
もしかして助けてくれようとしてるのか?




