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上等の話
「お、なになに、逢い引き?」
帰り際に美咲と会ってしまった。
なんて言い訳しよう。
成木は静観している。
なんかムカツク。
「文化祭のことでちょっとね」
「二人きりで?」
横目で成木に助けを求める。
「ちょっとヤな役をやってくれないかっていう交渉。みんながいる場所じゃ断り辛いかなと思って」
げ……
「察するにゾンビになって追いかける役?」
「そうそう」
おい、成木。聞いてないぞ。
「それで?」
美咲が覗きこんでくる。
「OK、ってさ」
成木、お前あとで殺す。
「そりゃ成木に頼られたらついOKしちゃうよねぇ」
なんでお前が嬉しそうなんだ。
両方をジト目で睨んでみるけど効果なし。
なんか二人で盛り上がってやがる。
私は思いっきりため息を吐いた。
美咲はいいやつ、とまでは言わないけど悪ノリするから困る。
「私、帰るから」
面倒になったので二人を置き去りにして行くことにした。
上等だ、ゾンビでもなんでもやってやろーじゃねーか。
……流されてるなぁ。




