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微笑の話
「お帰りなさい」
「お帰り」
カズくんとユキちゃんが私を見て微笑む。
この年頃の子供ってほんとかわいいなぁ。
食べちゃいたいくらい。
……なんか誕生のダメなとこだけ受け継いでる気がしなくもない。
「丁度できたとこよ。食べ物の匂い嗅ぎ付けたみたいなタイミングね」
笠原さんと顔を見合わせてお互いに苦笑する。
部屋に戻って着替えが終わった頃には六つの椅子の前にカレーのお皿が並んでいた。
「あの子は?」
「出てったまま。八時までに来なかったら片付けちゃいましょ」
時計を見ると六時三十分。
あとで自分の分がなかったら拗ねるだろうなぁ。
ユウくんがスプーンを取る。
笠原さんがそれを視線で刺す。
「い、いただきます」
「よろしい」
「いただきます」
みんなで言って食べ始める。
うん、ちょっと甘口だけど美味しい。
野菜がごろっとしてなきゃカレーじゃないよねぇ。
「笠原さん、あとでちょっと話が」
私は“あっち系のこと”と手でサインを出す。
「わかった」




