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魅いられる  作者: 月島 真昼
二章 愛川既死期の殺人学校
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無事の話



 何事もなく無事に帰れた。

 玄関の扉を開けて安堵する、……暇すらをここのチビはくれなかった。

「ねーちゃんお帰りぃ!」

 飛び付いてきたのは六年生の男の子で私と彼女を除けば最年長だ。後ろで扉が閉まる。逃げ場はなさそうだ。私は咄嗟に彼の頭を押さえて軽く足払いをかける。ドテンと倒れて「ねーちゃんは手厳しいなぁ」といいながら尻を擦る。

「私はセクハラには屈さない」

「ちぇっ」

 睨みあう私と小学六年生。年上として何かが間違っている気がしなくもない。

「ユウ。こっち手伝って」

 奥から笠原さんの声。私はカレーのいい匂いに気づく。

「今日のところは引き分けで済ませてやる!」

「はいはい、ありがとう」

 ちょっと不服そうなゆうくんは台所へ駆けていく。

「母ちゃん! ねーちゃんが俺に暴力振るった」

「どーせあんたがいらないことしたんでしょーが」

「うぅ……。手厳しい……」

 ユウくん、あんたかわいいんだけどさ。花の女子高生にセクハラは、ダメだよ。




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