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苦笑の話
「キイ、起きろー」
肩を叩かれて眉を潜める。一体なんだろ。
「んー……?」
私は頭を上げる視界の端で誰かが箒を持っていた。いま何限だろ? んー、でも眠気に勝てない。
「もうちょい寝かせて……」
「キイ、いま放課後だよ?」
はい?
けだるい上半身を起こすと担任が呆れた目で口元は半笑い。美咲はやれやれ、って感じだ。
「あー」
ここのとこちょっと寝不足だったからなぁ。ニコニコ動画にハマってて。2ちゃんねる関連のコピペがすごくおもしろいんだよねぇ。
「んじゃあたしもう行くから」
美咲が廊下に去っていく。担任がこっちに歩いてくる。私は咄嗟にバッグを取って美咲の背中を追い掛けた。
言い方を変えれば逃げ出した。「小畑、愛川、止まれ!」
怒声ってほどじゃないけどちょっと怒ってる。
「あたしを道連れにするな!」
「うるさい! あんたと私は一蓮托生!」
口喧嘩しながら廊下を走った。
押し殺した誰かの笑い声が背中から聞こえた。
こんな毎日も悪くない。




