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魅いられる  作者: 月島 真昼
一章 愛川誕生の殺人生活
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鋭利の話 一瞬の話


 俺は前に出た。機時が武器を抜く。メスだった。

 先ずはメスの投擲。俺はかわそうか迷ったが後ろにシキがいるためとりあえずは『鉛筆』で防ぐ。

 しかし重量と威力を兼ね備えた廢縞十鬼のナイフと違い鋭利さというただ一点に特化したメスは『鉛筆』にさえ食い込む。掌を少し斬る。続く投擲の連打が殺到。回避が面倒だったので俺は前進しながら両手の『テープ』に切っ先を取り込ませて真横に払う。横向きのベクトルを掛けられて意味を失った刃がカラカラと音を立てる。

 たしかにメスは鋭い。しかし投擲技術自体に廢縞十鬼程の速度はなく、軽量で威力もないからこそこういう防ぎ方が可能となる。まあ『テープ』の丈夫な布と反射神経がいるから良い子は真似しちゃいけないけどな。悪い子が真似して死ぬのは自己責任で頼むよ。

 投擲行為を無意味と断じた機時が両手にメスを握り俺を迎え撃とうと構える。

 と、俺は一歩制動を掛けて機時の左眼球に向けて『芯』を投げた。「!?」上手く不意をついたらしく機時は必要もないのにわざわざ片目を閉じてから首を傾ける。俺は生まれた左の死角に飛び込みポケットから『定規』を抜く。ズキリ、殊更に斬られた体の各所が痛む。よく出血多量で死んでないよなぁ、俺。足元に続く血だまりに眼は落とさない。そういえばさっきからやけに寒いがどうでもいいか。冷房効きすぎだろ? あれ、いま冷房入れるような季節だったか? 瞬間だけ俺の動きが止まるが機時が反応してメスを突き出すまでになんとか間に合った。殊更切味の超反応なら確実に間に合わなかったな。何気無く思いながら俺は両手を広げる。機時には俺が『定規』を取り出すのが見えていなかったから自分が何をされたのかわからなかっただろう。

 ボトッ

 手首に絡んだ糸が定規で引いたような綺麗な線を引いて機時の手首を落とす。

「ッ……」

 おいおい、片手首が落ちたら一瞬ぐらいは動きを止めるとかないかよ?


 機時の逆のメスが俺の胸を貫通した。




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