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魅いられる  作者: 月島 真昼
一章 愛川誕生の殺人生活
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本意の話 鬼畜の話



「なっ……!!?」

 驚愕で固まる体を無理矢理動かして幼女が黒の嵐から逃れようとするが無駄。

 キイロスズメバチは巣を攻撃した者を決して許しはしない。まあ攻撃させたのは俺なんだけどね。

「キサマァアアアアアアアアアア!」

 幼女が怒号を上げて突っ込んでくるが俺はそれを避けるだけでいい。最初の幼女の速さならなりふり構わない特攻を避けることさえ叶わなかっただろうが、全身に針が突き立って速度がガタガタに落ちているいまの幼女なら話は別。

 後退し、シキの首根っこを引っつかんで俺はひたすら逃げる。

 ちなみに蜂が俺を襲わないのは俺が普段から使っているシャンプーやボディソープが蜂の嫌いな匂いを発するからだ。シキを襲わないのはそれの原液をシキに渡してしてあるから。さっき投げたのがそれだ。

 やがて幼女はコンクリの床に突っ伏したまま動かなくなった。

「…………」

 不本意な殺り方ではあるが、勝った。これ以外の手では確実に俺の首が撥ねられて終わっていただろう。

 俺は窓を開けた。シキの手にある原液を少しだけ幼女にかけてやる。『筆箱(中身は蜂の巣がびっしりだ)』を外に放り投げるとそれを追って蜂が飛び去って行く。

 普段なら無視して先に進むんだが、俺にはやむを得ない事情がある。この萌え要素の塊をどうしてそのままにして置けるだろうか。それは鬼畜の所業だ。どっからどう考えても。

「感謝しろよ、あんたがあと五歳ぐらい年を食ってたなら見捨ててたとこだ」

 俺はバッグを拾って特別製の『芯』を取り出した。このタイプは五本しか持ってないんだが幼女のためだ。

 軽く消毒、『芯』の中の空洞に薬品を注ぐ。血管を探し先端を差し込む。

「なにを……」

「俺のことが好きで好きで堪らなくなる薬を注いだだけだよ」

 ただの血清だけどな。

「見てたか、シキ」

「ジジイ言葉がそんなにいいのかえ?」

 シキの声は若干不機嫌だったがそれもまた可愛いので、よし。

 三階へ続く階段を俺とシキは上っていく。




 




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