47/195
開幕の話
雑居ビルって言うんだろうか? 大きさだけは立派な古びた鉄筋とコンクリートの塊が、街に影と死角を生むのに一役買っていた。
「元暴力団のおっさんに感謝だな」
今更だが仲介屋の連中が目の色を変えて俺を追い掛けてこないのはそのおっさんのお陰なのだろう。流石に機時までその抑止力は働かないようだが。
…………
よし、行くか。
自動ドアを手動で開き罠の有無を確認しながら慎重に進んで行く。一階には何もなし、ただボロさに反して床には埃が積もっておらず、ここがたしかに使われていることを確認。
階段で二階へ。
「やれやれ、ようやく来たか。待ちくたびれて死にそうじゃったぞ。あ、そうそう。わしの名は殊更切味じゃ。貴様も末端といえど裏の世界に身を置く者ならば聞いたことくらいはあるじゃろう」
俺は戦慄していた。
あの、あの、殊更切味が、
現代最強の殺し屋と呼ばれる『怪物』が、
「ジジイ言葉の幼女だと!?」
俺の萌えポイントにぴったりじゃねーか!




