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理解の話
青井は顎に手を当てて思案。
「どこで気づいた?」
「確信はなかったんだけどな。あんたの現れたタイミングは明らかに不自然だった。それだけだ。……もしかして廃縞の携帯に掛けたのもあんたか?」
「いや、流石に廃縞の携帯番号なんて知らん」
後半だけの否定。ちょっと外れてて欲しかったんだがな、俺の推測。
「さっきの言葉、そのまま返してやるよ。あんたこそ静誕を真似てるだけだ。しかし部品が足りない。だからあんたと俺は全然違う」
「わからないな」
「そう、あんたにはわからない。何が欠けているのか、なぜそうしたいのか。あんたは完璧過ぎるんだよ。人の揺れが理解出来ないまま揺れている」
「やはり俺にはわからない」
嘆息して俺は「死ね」という。「まあいい」と青井は理解を放棄した。
「この部屋はこのまま取って置くことも出来るが、どうする?」
シキを見る。「ジョーについてくよ」笑む。
「一応、取っといてくれ」
俺にはもう終局が見え初めていた。




