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魅いられる  作者: 月島 真昼
三章 愛川数死の殺人事件
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拒絶の話



「僕に殺させたい人は誰なんだろ」

「わからない。たぶん東条友也っていう、警察の人の関係者。油田五忌振はいまその人と戦争してるの」

「戦争?」

 ここ日本だよな?

 姉ちゃんは頷く。

「だからやめて。あいつといるとろくなことにならない。東条友也もこっち側に通じてるから、カズも殺されちゃうかもしれない。私はそれがすごく嫌なの」

 わたしを撃った代月深墓も彼の手札の一枚なの。と付け加える。ライフルなんて使う人は日本では彼くらいしかいないそうだ。

「話せてよかったよ、姉ちゃん」

 僕は笑って、それ以上の会話を拒絶した。

 姉ちゃんが僕の手を握り締める。行かないで。って言っているみたいだった。だけど僕はそれでも皆木を殺したいのだった。姉ちゃんを失ってでも。

 だいたいここで皆木だけ殺すのをやめれば、死んだほかの四人に失礼じゃないか。

 身勝手な理屈を胸の内で唱える。

 僕は何人でも殺してやるんだ。

 その先の未来で、いつか皆木が殺せるのならば。

 


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