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欲望の話
「そっか。そもそも油田五忌振がどんなやつらか知らないもんね……」
「うん。知らない。お互いに利用してるだけだったから」
「えっとね。ようするにあいつらはテロリストなの」
「テロリスト?」
「大きい事件の八割くらいに関わってるかな。ノウハウを与えるような形でだったり、実行犯のアリバイの手助けだったり」
僕がしてもらっていたことと同じようなことだった。
姉ちゃんは彼らが起こした幾つかの事件を教えてくれた。毒ガスの製法やそれを使う場所、現金輸送車を襲う手口等は彼らが考案したものだったらしい。僕も知っているくらいに有名な事件だったのでそれなりに驚いた。
「なんでそんなことするんだろ」
「したいから。油田五忌振を捕まえたらみんなそういうらしいわ」
したいから。
現金を強奪したいから。
密閉空間に毒ガスを撒いて人間を殺したいから。
家族を殺した人間とその関係者を皆殺しにしたいから。
「なるほど」
わかったようなわからないような。




