表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魅いられる  作者: 月島 真昼
三章 愛川数死の殺人事件
184/195

蹴撃の話


 薄手のグローブをはめた二十代前半らしい男が出てくる。そいつが僕に向けて、真っ直ぐ拳を突き出した。僕は驚いて尻餅をついた。真上を拳が掠めていく。

ぶおんと風を切る音。

 こいつは危ない。近づくべきじゃない。しかしこの間合いで離れられるわけもない。

拳が引き戻され、左足が神速で動く。

 僕は決して運動神経の悪いほうではない。むしろバスケットで鍛えたそれは並以上だと自負している。けれど男の蹴りの速さに僕は反応できなかった。僕は掛け値なく吹き飛んだ。人間って蹴られて宙に浮くことがあるんだなと、痛みの中で考える。苦笑いが浮かぶ。

「“守り屋”草原獅四吼、一応名乗っておこう」

「守り屋? 殺し屋の親戚かい?」

「ああ、その通りだ」

 男は肉食獣の笑みで僕を見た。

 僕は立ち上がれない。脳みそがまだ揺れているのだ。ああ、僕はここで死ぬんだなとなんとなく思った。まだ土屋を殺していないのが心残りでならなかった。

「カズっ」

 誰かが叫んだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ