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言訳の話
土屋を殺しにいくために油田五忌振の運転する車に乗った。僕はずっと窓の外を見ていた。ユキとユウの顔が映る。怒っているようだった。彼らの顔つきは僕を責めていた。許してはくれないみたいだ。それでいい。
“殺された人達のために復讐をした。敵討ちだ。だからこれは正当なんだ!”
僕はそんな言い訳を必要としていない。僕は殺したいから殺した。許されなくて当然だ。
「中西勇太が自殺したそうだ」
僕はそれをどこか遠くで話されている言葉のように聴いていた。
口元に手をやると自分が笑っていることだけはわかった。自嘲的な笑みではなかった。中西が死んだことが嬉しかった。
土屋の家の前で降ろされる。皆木の時と同じような小金持ちの印象を受ける家だ。インターフォンを押してみたが応答がなかった。弱ったな。鍵の掛かったドアをなんとかするより、裏に回って窓ガラスを割ったほうが速いだろうと考え、僕は室外機の横を通ろうとした。
突然ドアが開いた。




