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返事の話
「あんた……最低よ」
「うん。最低だね。君がAVに出演できる程度に」
適当なことを言ってみる。
カメラを置いてるのは真理が嫌がるだろうと思ったからで、別に録画しているわけではなかった。僕は暇潰しにDVDを見始めた。別荘に元々置いてあったものだ。彼女にも見えるようにしてやる。
「ちなみに男の前で全裸で映画鑑賞する気分はどう?」
彼女は返事をしなかった。
僕も別に返事を期待していなかった。
しばらくして彼女から話し掛けてきた。
「喉が渇いた……」
「ああ、水か」
DVDを止めてコップに水をついでくる。強引に傾けて噎せるように飲ませた。げほげほと辛そうに息を吐く。僕はDVDをもう一度再生した。恨めしそうに睨みつけてくる。
もうしばらく放っておくと、今度はトイレにいきたいと言った。僕は「そこですれば?」と答えた。何か文句を言おうとしたのを「いまいいところだから喋るな」と顔を殴った。別に映画の内容はどうでもよかったけど。




