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人生の話
イライラする日々が続いた。バスケットのプレーにもキレがでずに、試合でミスを連発した。それが結構悔しくて僕は自分のプレーにそこそこのプライドを持っていたことを知る。つまりは僕は人生を楽しんでいた。非常によろしいことだ。花丸である。しかし転がり始めた復讐をいまさら止めることは、大きなストレスになっている。さてさてどう解決したものか。
「らしくないな。どうした?」
同級生の部員が訊いて来る。
「風邪ですかね。ちょっと調子悪いです」
僕は曖昧にごまかす。
まさか人を殺せないから調子がでません。なんていうわけにはいかなかった。
「あの人か?」
顎で観客席の長月さんを指す。
僕の視線が釣られる。こちらに気づいて、長月さんが笑みで手を振る。
「なんなんだ、あれ? ほんとに付き合ってるのか」
「違うよ」
としか答えようがなかった。
どう言い訳していいかわからない。
「じゃあ俺、アタックしてみようかな」
僕はこいつをぶん殴りたくなった。




