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存在の話
「最悪、殺し終わったあとなら口封じしてくれても構いませんよ。」
「にゃあ。そういうやつほどあとになって命乞いするんだけどにゃあ」
意地悪そうに殊更さんが言う。
そうかもしれなかった。
僕も関係者全員を殺し終わったあとになったら、やっぱり捕まるのが嫌になってるのだろうか。なっているのかもしれない。それはきっとそのときになってみないとわからない。
「まあそのうち三人目の家族についても連絡いれるにゃあ。しばらくゆっくりしてるといいにゃ。あんまり殺す殺す言ってると、戻ってこれなくなるにゃ」
切られた。
戻ってくる? 戻る必要がどこにあるんだろう……?
僕はしばらく長月さんを殺す方法を考えていた。けれどあまり現実的ではない気がしてきた。長月さんを殺して僕に疑いがかからない方法というのは存在しない。
「……そもそもかなり大規模に協力してもらってるだけに、殊更さんの助言に反した行動を取り辛いなあ」
いまは待つしかないのかな。




