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興味の話
中学生になった。新しい自転車で知らない校舎に向かう。
その日は四月にしてはひどく暑い日だった。桜の枝を透けて陽射しが強く刺す。教室で少し説明を聞いてから体育館に向かったけれど、黒い制服に日中の密閉空間は堪えた。集中力に欠いたまま惰性の式がはじまって、ざわめきは終始収まらなかった。式くらい黙ってすごせよ。と僕は想うが、こう暑いと誰かと話していたくなる気持ちもわからなくなかった。
新しいクラスはとても居心地がよかった。
前に転校した小学校では既にクラス内に下地のようなものがあったが、今度はお互いに知らない顔のほうが多いからすぐに打ち解けることことができた。
はじめに仲良くなった西村くんはスポーツが得意で、僕をバスケットボール部に誘ってきた。僕は彼と一緒に部に入ることにした。元々スポーツに興味はあった。
けれどそれ以上に、ユキとユウの分まで人生を楽しまなければいけないという、強迫観念のようなものがあった。




