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詐術の話
「学校の一件以来、妹と連絡とれないんだよね。まああれに限って殺されたってことはないと想うんだけど、万が一があるから大丈夫かなぁと思ってさ、死期ちゃんなら何か知ってんじゃないかと思って」
「殺された……? どういうことです?」
切無さんはほんの少しのあいだ表情を固めて、あからさまに誤魔化すように爪の先で額を掻いた。
「あ、……いや、聞き間違いじゃないかな。うん、いないんなら出直すにゃ。じゃっ」
「切味ちゃんは人を殺してたんですか。それにもしかしたら姉ちゃんも」
「にゃぁ? なに言ってるのかぜんぜんわかんないナ」
冷めた口調でいう。これ以上踏み込んでくるな。とその目は語っていた。僕は目を逸らさなかった。ここで引いたらダメだ。ここで引かなかったら、ユキ達を殺したやつを殺してやる方法が見つかるかもしれない。
心の中に火がついたままなのだ。どうしようもなく熱くて熱くて堪らない。
「まいった。誤魔化せる空気じゃないね」




