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手段の話
転校の手続きと新しい住居の確保は姉ちゃんがやってくれた。そのあいだ僕はただ拘置所に火をつける方法を考えていればよかった。けれど残念なことに僕は彼らがいまどこにいるのかも知らないし、肝心の方法についてもいい手はなにも思いつかなかった。ガソリンの並々と入ったポリタンクと火のついた新聞紙を投げ込めばそれなりの効果は期待できたかもしれないけれど、彼らが焼け死ぬかと訊かれれば疑問符だ。
最低でも同じ目にあわせなければ気がすまなかった。
もちろん彼らは未成年だ。更生する機会とやらを与えられているせいで死刑にはならない。人間を三人焼き殺しているのに。三人の生きる機会を奪っているのに。
考えれば考えるほどに憎しみが湧き上がってくる。時間はなにも癒してくれない。
姉ちゃんは忘れたほうがいいっていうけど、どうしてそんなことができるのかわからない。遺骨と仏壇の前で僕は泣く。炎が僕を焼いている。痛くて痛くて堪らなかった。




