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魅いられる  作者: 月島 真昼
三章 愛川数死の殺人事件
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報道の話


 マイクを持った女の人が僕に近づいてくる。なんとなく嫌な感じがした。帰ろうと思い背を向けると、駆けてくる気配がした。「ねえ、君」女の人は猫撫で声を出す。背筋がぞわっとする感じの声だった。足が竦むのを感じる。

「笠原一志くん、だよね?」

 笑顔が嫌だ。

 そんな風に感じたのは初めてだった。口元にマイクを突き出される。

 亡くなったユキコちゃんとユウキくんとはお友達だったのよね。いまの気もちは? 犯人についてどう思う? 笠原美津子さんはどんな人だった? 

 一つも答えられてないのに、矢継ぎ早に質問が飛んでくる。どうしていいのかわからない。「俯いてないで」苛立った感じがする声質。息ができない。

 やめて。僕にはまだ受け入れられない。いつも僕の手を引いてくれたユウが、笑ってくれると僕も楽しくなれたユキが、……母さんが、死んだなんて僕にはまだ受け入れられない。

 僕が黙っていると女の人はいつのまにか消えていた。

 焼跡と僕だけが残った。



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