129/195
部屋の話
目を開けたら真っ白い天井が見えた。体を起こす。白いカーテンがある。柔らかい綿の感触がする。ベットの上だった。自分の部屋ではない。病院? 体を動かそうとして、誰かが僕の手を握っていることに気づいた。姉ちゃんだった。僕のベットに顔を押し付けて眠っている。布のない場所はあちこちに包帯が巻かれている。横顔から覗く前髪は揃いすぎに切られていた。燃えてしまった部分を切ったんだ。
僕は握られた右手に少しだけ力を込めた。次の瞬間に、僕は捻じ伏せられていた。肘を逆さに捻られて背中に膝が乗っている。なにをされたのかわからなかった。
「あ、あの、ね、姉ちゃん?」
肘を捻られたまま首を回して姉ちゃんを見る。ハッとした表情になった姉ちゃんが僕の肘を放す。片手で自分の顔を隠すようにして、大げさに僕のベットから離れた。カランと音を立てて何かが落ちる。姉ちゃんがカーテンの向こうに隠れる。
「いまの、なし」
姉ちゃんは弱い声で言った。




