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魅いられる  作者: 月島 真昼
三章 愛川数死の殺人事件
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部屋の話


 目を開けたら真っ白い天井が見えた。体を起こす。白いカーテンがある。柔らかい綿の感触がする。ベットの上だった。自分の部屋ではない。病院? 体を動かそうとして、誰かが僕の手を握っていることに気づいた。姉ちゃんだった。僕のベットに顔を押し付けて眠っている。布のない場所はあちこちに包帯が巻かれている。横顔から覗く前髪は揃いすぎに切られていた。燃えてしまった部分を切ったんだ。

僕は握られた右手に少しだけ力を込めた。次の瞬間に、僕は捻じ伏せられていた。肘を逆さに捻られて背中に膝が乗っている。なにをされたのかわからなかった。

「あ、あの、ね、姉ちゃん?」

 肘を捻られたまま首を回して姉ちゃんを見る。ハッとした表情になった姉ちゃんが僕の肘を放す。片手で自分の顔を隠すようにして、大げさに僕のベットから離れた。カランと音を立てて何かが落ちる。姉ちゃんがカーテンの向こうに隠れる。

「いまの、なし」

 姉ちゃんは弱い声で言った。



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