エピローグ:とある日の青井之影打
「あんたそんなことばっかりやってたらいつか殺されるぜ?」
「当の昔に死んだ身さ」
仲介屋の連中に油田の情報を売ったらいらない忠告をされた。別に雇われただけのやつらに恩義も何もない。それに元々油田五忌振なんて連中は巣の中で共食いを繰り返している。誰が情報を横流ししたかなど、連中に掴めはしない。
思惑通りに、俺を追っていた廃縞十鬼は朱手解体に殺されて既死期は生き残った。油田五忌振などいいようにつかわれているだけの間抜けとしか思えなかった。
金を受け取る。
暇潰しに既死期を鍛えてみたが、そろそろ飽きてきた。ただ漠然と金を稼ぐだけの日々も退屈なだけだ。なにか楽しいことはないだろうか。とりあえず後ろからナイフを持って襲い掛かってきた仲介屋の一突きをかわし、伸び切った腕を脇に挟んで捩じる。みちりと鈍い音がして間接の肉が千切れる。そのまま床に倒して踏みつける。
「一匹みれば三十匹はいると思え、か。油田五忌振というのは本当にどこにまで沸いているな。まったく面倒なことだ」
言いながら手荷物の中のペットボトルの蓋を開けて口に差し込む。
「生憎手持ちの道具でできる拷問が。これくらいだ。許せ」
ねじ込まれたボトルから水が喉奥に流れる。吐き出すことが許されずに呼吸困難に苦しんでいる。ぐぼぐぼと容量を得ない呼吸の音が繰り返される。
「どんなふうに黙らされたい? 口と腕と足を失くして意思疎通の手段を一切失くす所ところから始めようか」




