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魅いられる  作者: 月島 真昼
二章 愛川既死期の殺人学校
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膝枕の話 悪夢の話 

「よお、いい死体っぷりだな」

 久しぶり。

「元気だったか」

 うん。そっちは?

「元気なわけあるか。俺はとっくに死んでんだぜ」

 あっはっは。そうだよね。ってことは、これ夢か。

「そ。夢だ。だから何も考えなくていい。ゆっくりしていってね」

 相変わらずだなぁ。あ、膝枕してくんない?

「甘えんなよ」

 とかいいながらしっかりしてくれるあたり、誕生だよね。

「あっはっは。そのまま聴いとけ」

 うん?

「お前さ、身体能力的には出来上がってんだわ」

 ええと?

「殺し屋として動けるって意味では、お前は俺以上だ。多分殊更切味並だろ。元々才能あったしな。じゃあ何がお前をダメにしてたかっていうと、気持ちだったんだ」

 気持ち。

「だから吹っ切れた時のお前は愛川死出なんか歯牙にもかけない」

 少年漫画の主人公みたいだね。キレたら強くなる。

「そんなとこだ。で、どうする?」

 ん?

「いまお前の気持ちは壊れかけてる。心が死んでたら体も死ぬ。それでもまあ曖昧でぐだぐだになら生きていけるかもしれない。どこか虚無感とか、それっぽいものを抱えたままな」

 ふーん。って、私、死んでないの?

「殺し屋になればそれなりの達成感だとかと、生活するのに充分な収入を得られるぜ。組織とか依頼人のせいにして、くだらねー自分を維持できる。どうだ?」

 無視ですか。……うーん。

「迷うか?」

 なんかどっちにしろダメな気がして。

「じゃあこのまま死ぬか? 俺が生かしちまったんだ。介錯くらいしてやるぜ」

 んと、それもやだ。膝枕気持ちいい。

「るろ剣か」

 ん?

「いやなんでもない。……ああ、あそろそろお別れくさいな」

 いっちゃうの?

「つーか、行くのは俺じゃなくてお前だよ」


 誕生の手の頬に触れる。

「たてたてよこよこまーるかいてちょんちょん」

 引っ張られて頬が伸びきったとこで離されたちょっと痛かった。

 なにすんだこのボケー、っと誕生の顔に向けてパンチしようとしたところで私は目を覚ました。拳は虚しく宙に突き出されていた。


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