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放送の話
成木が席を立った。数人が止めようとした。他の数人はどうしていいかわからずに狼狽えている。死出くんはニヤニヤ笑いを抑えきれていない。
何人かが出入口を塞ぐ。
「お前が行っても小畑は殺されるんじゃないか。なら人質が二人に増えるだけでなんの意味もない」
というのが止めようとしてる人の意見だ。
強硬もできないまま十五分が過ぎた。そこでまた放送。私は死出くんの隣にいく。
『ちなみにぃ、一時間が過ぎて小畑さんに犠牲になってもらったあとはぁ、みなさんに一分ごとに一人ずつ死んでいってもらいまぁす!』
「ねぇ、成木が出る時どさくさに紛れて一緒に出れないかな?」
「なんで俺がそんなことを」
「切味ちゃんけしかけるよ」
「……」
「お願い」
『そこんとこよぉく考えて成木くん、カモォン!』
プツン、と放送が切れる。
「行くしかないみたいだね」
今度は誰も成木を止めなかった。むしろ引きずりだそうと他クラスからの生徒が教室に殺到した。チャンス。




