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調子の話
「お帰り!」
飛び込んできたユウくんを、私は咄嗟にかわせなかった。服の上からあんまりない胸を掴まれて私は「きゃああっ!?」悲鳴を挙げた。ユウくんビビる。笠原さんが飛んできて掴まえてユウくんをボコボコにする。「て、手厳しい」ユウくんが床に倒れる。
「どうしたの? 調子悪い?」
倒れたユウくんを踏みつけながら笠原さんが聞いてくる。
「や、そういう訳じゃないんですけど」
「じゃ恋患いだ!」
なんかもうやだ。
俯いて笠原さんの横を通ってリビングへ。
「お帰りなさい」
「お帰り」
カズくんとユキちゃんはいつも通り、ではなかった。あちこちに傷や青あざを作っている。
「黄色ちゃんに話したいことがあるって。母さんじゃダメなんだってさ」
カズくんが笠原さんにペコリと頭を下げる。笠原さんは頷いてユウくんを連れて部屋に戻った。
ドガベキバキボキ。
「て…きび…しい……」
聞こえなかったことにしよう。
「話って?」
カズくんが小さく息を吸い込んだ。




