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折檻の話
切味ちゃんが折檻されていた。
「さ、鮫口……、もうやめるのじゃ。わ、わしが悪かったのじゃ……」
手足が縛られている切味ちゃんの前で彼女が好きな和菓子系の甘いものがいっぱい並んでいる。それを子供達がパクパクと食べていく。
「あ、帰ってきたの? 連絡くれたら迎えにいったのに」
「あの笠原さん、それ……」
恐る恐る切味ちゃんを指差す。
「ああ、これ? あんたが大怪我したのに和菓子優先させた罰よ。ちなみに昨日から何も食べさせてないから」
切味ちゃんは結構食いしん坊である。気が付いたら何か甘いものを食べてるような印象がある。
まあ切味ちゃんはいつも糸の切れたタコみたいにフラフラしてるから実は私と会うことはあんまりないんだけど。
「あんまりなのじゃ」
ぐすん、と鼻を一度大きく啜る。
カズくんが心配そうな目で見る。笠原さんが鬼の形相で結び目を解く気力を奪う。
「あ、あのさ、切味ちゃん」
「既死期なんかもう嫌いなのじゃ」
ダメだこりゃ。




