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3話・魔王の年齢1000歳っ?

「で、連れて帰ったはいいがどうすんだよこいつ」


「どうって、まず母さんと父さんに相談して……。」


 なにか案があるかと思い聞いてみたが小学生並のパターンでこけそうになる。

 妹よ、そこはなにかあるだろう。 バイトしてこの子のお世話するとか市に駆け合うとか。

 まぁあまり問い詰めても空気悪くなるだろうし自称魔王に色々聞いてみるか。


「な、なぁお嬢ちゃん、ふげっ!」


 痛ってっ。 いきなり手出してきやがったなんだコイツ。 魔王は言葉じゃなく暴力で会話するのか?

 エイリアンとプレデターじゃねぇんだから勘弁してくれっ。

 そんなことを内心で愚痴ってると少女は立ち上がって腕を組んだポーズで宣言を始めた。


「何度も言わせるでないっ。 我輩は第20代魔王、シエラ・オルフェンシアじゃっ。 お嬢ちゃんではないっ。 大体お前はいくつじゃっ」


「俺? 18だけど」


「まったく、これだから若造は礼儀がなっとらん。 まぁ我輩より900歳以上年下じゃから致し方あるまいか」


 俺が自分の年齢を言うとシエラなる自称魔王は深く溜息を吐きながら自身な年齢を宣言した。

 見た目的に小学生のコイツが俺よりはるか上を行く年上だなんて想像できるはずもなく、その答えに俺は疑い混じりに笑ってみせた。


「ってことは君1000歳近くってこと? ははは、そんなウソを言っちゃいけないよ」


「ウソか……逆に聞こう、そのようなつまらぬうそをついたところで我輩になにか益があると思うか?

 富、権力、名声のいづれも手に入るわけではないじゃろ?」


「いや、そうだけどっ」


 反論しようとしたら妹に袖を引っ張られる。 なるほどね、子供の言うことだからうんうんと頷いてあげようということだよな。

 そう思い改めてどうしたか尋ねると妹は真顔で答えた。


「兄ぃ、きっとこの子の言ってること……真実だよっ」


 おいいぃぃーーーーっ妹よ、お前までこんなトンデモ発言信じるのか? ちょっと待ってくれっ、忙しい父さん達に代わって世話焼いてきたのにこんなおバカになるなんて兄ちゃん悲しいぞっ?

 泣きたい気持ちに駆られるも陽菜乃はどうやらいい加減に言ってるようでもなかった。


「だって、いくら勉強できる子でもここまで政治的かつ演説が上手な子なんていないはずだもの。

 いたとしてもアニメや漫画とか2次元の中くらい」


 うーん……。 まぁ理系数系の我が妹が言うならそういうことなのか? この角も被り物や付けツノでもなさそうだしな……ていうか付けツノってなんだ?


「まぁとりあえず言ってることが本当かどうかは置いといてコイツの身の上をもっとはっきりとさせておきたいよな。 父さん達の帰宅までまだ時間あるし」


「はっきりって、どうするの?」


 妹の問いに俺はさっき自称魔王に殴られた仕返しも込めて意地悪気ににやけながら言ってみた。


「血を抜くか」


「なっ、地を抜くとは貴様吸血の一族なのか? やめておけ、我輩の配下が黙っていないぞ」 


シエラの顔は見る見る青ざめていきワナワナとごね始めるが俺はワシっと手を掴み満面の笑みで妹に声をかけた。


「んじゃいくか、我が妹よ」


「おうおう行こうっ、吸血鬼おじいちゃんのとこに」


「や、やめてくれ。 血を抜かれるのは嫌じゃー」


 じいちゃん町医者だから孫のよしみでやってくれるよな。 つーかこいつのこのごね方、本当にコイツ4ケタ歳なのかね?

 そんな疑いの目でいた俺だがこの後このシエラという少女の血液の結果に俺達兄妹のみならずじいちゃんも驚愕する騒ぎとなる。

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