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突き抜けるような青空だった。
セミの鳴き声と咽せ返るほどの草木の匂い。その向こうにいる君の笑顔が、太陽にも負けないほどに輝いていたのを思い出す。
広い広い草原を、一生懸命に駆け回る君。それを捕まえたい一心で、ボクは懸命に腕を伸ばした。
だけどそうして伸ばした指先が、君に届くことは無い。何度も繰り返したその映像に、これが夢なのだと気付かされる。
そう。だからこれも悪い夢なのだろう。
ひどく崩れ去った建物も。血にまみれたこの両手も。
あの夏の日の惨劇と同じく、きっと悪夢に違いない。