90【エリカ】
あーあ。
先にマリアの話を聞いたんだよね?
私の話はマリアほど重くないから先にしてって言ったのにー!
まあ、今何か言っても遅い事なので私の話の昔話を始めますね?
あんまり期待しないでね!
お願いだよ!
私の名前はエリカ・ガーネットです。
子爵家の次女で身体を動かすことが大好きです!
ガーネット家は両親と長男のエネル、長女のノエ、そして次女の私、三女のアマネの6人家族です。
お兄様はごく普通の男の子って感じでお姉様は引っ込み思案なところがある大人しい女の子です。
自分で言うのも何ですが特に特徴がない家族ですね。
まあ、そんな変哲もない家族にある日、ガーネット家の領地を飢饉が襲ったのです。
結構厳しい状況でしたが本当ならどうとでもなる話だったらしいです。
領民のためにガーネット家は他の領地から多くの食料を買ったんです。
しかしその食料を運んでいた馬車が次々と盗賊に襲われ私達の領地に食料が届くことはありませんでした。
本当なら盗賊が出たって聞いた途端に討伐隊を編成して向かわせるのが普通なのでしょうが討伐隊を作るのにもお金が必要なんです。
出るかわからない盗賊討伐にお金をかけるのとそのお金を食料調達に回すのを天秤にかけた時にお父様は食料調達にお金を使うことにしたんです。
そりゃそうですよね。
詰んでるのは食料だけで金目のものも若い女も乗ってないんですから一回目は分からないから仕方ないと思いますがわかった状態でだと盗賊なんて襲ってこないと思うのが普通です。
それなのに何故か食料だけを積んでいる馬車がほぼ全て襲われガーネット家のお金がどんどんと無くなっていきお父様が頭を悩ませていた時、ワルリーン伯爵家の当主が現れました。
その人を見た瞬間、ああ、この人のせいだなって全てを悟りました。
だってですよ!
名前にワルが着いてますし太ってギトギトしてますしやたらデカくてゴツゴツした装飾品を付けていたんですよ!
完全に悪者じゃないですか!
そのワルリーン伯爵はお父様にこう言ったそうです。
「なかなか、困っているそうではないか?
何なら我家が支援しようか?
だが、タダというわけにはいなかいよ。
君もそんな上手い話があるとは思っていないだろ?
君の娘を一人私にくれ」
ね?
こいつヤバいでしょ?
絶対今回の犯人だよね?
この言葉でお父様もこいつが犯人だと悟ったらしいんですけど相手はウチより格上だしお金も無い今の状況では何も出来なかったんです。
まあ、どうするかっていう家族会議が始まりますよね?そりゃ。
で、長女はちゃんと嫁がせなければいけないし三女はまだ小さいから出せないってなると私しか居ないですよね〜。
家族もこの領も好きだから仕方なく生贄になりますか。
はぁ。
やだなぁ〜。
あんなくそデブに犯されて殴られて、仕舞いには殺されるんだろうなぁ〜。
折をみて自殺するか。
家族には泣きながら謝られたけど私は家族のことを恨むつもりは全くない。
で、それから数日が経ちでデブ貴族が迎えに来る日となった。
「当主様!
大変です!」
私が豪華な服装と化粧をして部屋でお父様と待っているとメイドが一人慌てて部屋に入ってきた。
何事だと思い私とお父様は玄関に向かった。
玄関にはお姫様見たいな人が何故か腕を組みながら仁王立ちしていた。
ド、ドーン!!!
と効果音が聞こえてきそう。
全く意味がわからない。
「突然押しかけて申し訳ありません。
この方はネニュファール公爵家の長女、エレスティーナ・ネニュファール様です。
本日はワルリーン伯爵家が没落したことによりガーネット家のエリカ様の話しが無くなったことの説明と今後の話をしに参りました」
困惑しているとそのエレスティーナ様と一緒に来ていたメイドが事情を説明してくれた。
その後、私は状況が理解出来ないまま自室に戻った。
後から聞かされた事何ですが、ワルリーン伯爵家は予想通り色々あくどい事をしていたらしくつい先日それをネニュファール家が証拠を掴み告発しとり潰しになったそうです。
そして、何故かネニュファール家がガーネット家を支援してくれることになり食料などの心配が無くなりました。
めでたしめでたし。
ほらね?
期待しないでよかったでしょ?




