81【協力】
誤字報告ありがとうございます!
「エレナ様、落ち着いて聞いてください」
「ん?
どうしたのあらたまって」
私が自室でお茶を飲んでいると少し慌てた様子でロゼが部屋に入って来て私に声をかける。
「実は先程、リリーナ様とアルス様の婚約が決まったという情報が入ってきました」
バリン!!!
私は驚きのあまり手に持っていたカップを落としてしまった。
「ロゼ、それは本当のこと?」
私は怒りのあまり体をピクピクと震わしながらロゼに聞く。
「はい、確実な情報です」
「ロゼ、今すぐお父様の元に向かうわ準備して!」
「かしこまりました」
それから急いで支度をしお父様の元へと向かった。
バタン!
「お父様!
どういうことですか?!」
私は屋敷に着くなり自室で仕事をしていることなどお構い無しにお父様に詰め寄る。
「エレナ慌ただしいぞ。
もう少し落ち着け」
お父様は手に持っていた書類を机に置き、私を注意する。
「落ち着いている場合ではないですよね?!
お父様のせいで!」
「お前の言いたいことはわかるがな俺の事情ってのもわかってくれ。
俺だって大切な娘であるリリを口が悪くなるがあんな奴には渡したくない。
だが、俺は一貴族だ。
王様の命令には逆らえんのだよ」
「その辺の貴族ならわかりますが我家は違いますよね?そのぐらい馬鹿な私でもわかります」
「そうなんだがな。
今回の話の時に第二王妃もいたんだ。
どんな汚いことでもやるクソッタレな貴族とつるんでる第二王妃だ。あの場で変なことを言えば家族に何されるかわからないだろ?
お前はこの国でもトップクラスに強いかもしれんが、リリやローゼ達は違うんだぞ?ヴィケだって今は王都の学校に通っていて守るのは難しいんだ。
わかってくれ。
もちろん、リリに変なことされたらすぐに婚約は破棄するし我家の全てを持って抗議するつもりだ」
「わかりました。
すみません。
お父様の気持ちも考えずに感情的なことばかり言って」
「わかってくれればいいんだよ。
それで、エレナに相談なんだがお前の情報部隊貸してくれないか?」
「え?
なぜです?」
「第二王妃についているクソッタレな貴族を今のうちに少しでも潰しておこうと思ってな」
「そうですね。
いいと思います」
「では、貸してくれるか?」
「ブレイン様、エレナ様。
それは難しいと思われます」
先程から扉の近くで待機していたロゼが口を開ける。
「何故だ?」
ロゼの言葉にお父様が少し不機嫌そうに聞き返す。
「エレナ様の部下は私を含めエレナ様に対し恩義や忠誠心が一種の宗教信と言っていいほどあります。とくに情報部隊の隊長のフォンセはそれが強すぎます。そして、あの子はエレナ様とその部下以外敵と認識しているところがあるのでブレイン様やその部下の言うことは絶対に聞きません」
宗教心って何?
めっちゃ怖いんだけど!?
「それは本当なのか?」
「はい、エレナ様の命令なら笑顔で死ねますが他の人の命令は死んでも聞きません」
フォンセには帰ってからちょっとお話しないといけないと心の底から思った。
「そうか。
しかし、命令は基本ロゼがおこなっているのだろ?
俺の指示をそのままお前経由で伝えてはダメなのか?」
「それはすぐにバレると思われます。
そして、バレるとブレイン様はエレナ様の親族ですので暗殺に動くことはないと思いますが、あの子はちょっと危なっかしい所もあるのでやめておいた方がよろしいと思われます」
そう言ってお父様は顎に手を当て悩み出す。
「ブレイン様。
別々で調査させ情報共有だけなら可能だと思われます。
私に上がってきた報告書とブレイン様に上がってきた報告書を交換するだけですから」
「んー。
結局、告発するのは俺になるから手間が増えるだけなんだが、仕方ないか。
では、ロゼ、その方向で頼む」
「かしこまりました。
エレナ様もよろしいですか?」
「うん、ロゼに任せるよ」
私は一言も発しないまま今回の件がまとまった。
あと、うちの部下たちってそんなに危ない集団なの?大丈夫かな?




