79【リリの思い】
リリ視点
私の名前はリリーナ・ネニュファールです。
ネニュファール家の次女で、いわゆるお嬢様ってやつをやってます。
私には、父と母が2人、姉と兄がいます。使用人に聞いた話だと貴族の家族関係は大なり小なりギスギスしている家が多いらしいのですが私の家族はみんな仲良しです。
「リリ〜♪︎」
そう言いながら私に抱きついているのはお姉様のエレスティーナです。
お姉様は私のことをとても可愛がってくれます。悪いことをした時は怒られますがいいことをした時は自分のことのように喜んで私を褒めてくれるとても優しくて大好きなお姉様です。
お姉様は、私が病気になり療養のために自然の豊かな街に行くことになった時も私一人では可哀想だからとお父様と交渉して一緒についてきてくれました。
そんな大好きなお姉様ですが一つ困ったことがあります。
え?頭が悪いことか?ですって?
そんなことは些細なことです。お姉様は頭があまり良くないかもしれませんが魔法の才能と武術の才能がありますし、とても賢いロゼがいます。それに私もお姉様の役に立つために勉強を頑張っているので何も問題はありません。
お姉様の困ったところというのは自分のことを軽視しすぎている事です。お姉様は、公爵家の長女でアドニス様の第一王子の婚約者候補であり、今最も注目されている商会のトップでもあります。それにロゼを含め6人の雇い主で、本人は知らないと思いますが個人で資産も男爵と同等かそれ以上のものを持っているらしいです。
これだけではありません、お姉様自身この国で一二を争う程の実力者で、お姉様の部下のヴィルデも国内で五本の指に入る実力を持っています。
ここまで言えばお姉様がどれだけ凄い人で重要人物であるかは一目瞭然です。そのお姉様にもしもの事があればどれほどの人間が悲しみ影響を及ぼすかなど想像に難しくないはずです。
なのにお姉様は目を離すと直ぐに危険なところに首をつっこんでいくんです。お姉様は、「自分から行ってるんじゃなくて向こうからくるんだから仕方ないじゃん!」と言います。「その寄ってきた危険に首を突っ込まず回避してください!」って言ってるんですがなかなか理解を示してくれません。ロゼやヴィルデにお姉様を止めてとお願いしたんですが「努力はしているんですが、リリ様と同じでなかなか理解を示してもらえません」と半ば諦めている感じでした。
「リリ〜♪リリ〜♪
私の大好きなリリ〜♪♪」
お姉様は相変わらず私にくっついて変な歌を歌っています。
これはあまり大したことではないのですが、たまにお姉様に「リリ、困ったり悩んでたりしていることはない?何かあったら私にすぐ相談するんだよ。何か嫌なことがあっても決して誰かに当たったりしてはダメよ」と普段見せない真剣な表情で言ってきます。私が「今は特にありませんよ。その時はすぐにお姉様に相談しますね。それにしてもいきなりどうしたのですか?」と聞いても「いや、ないならいいんだよ」とはぐらかすばかりで答えてくれません。
あれはなんなのでしょう?
私が誰かに八つ当たりする夢でも見たのでしょうか?
「リリ様、エレナ様。
夕食の用意ができました」
軽くノックの音がしてメイドの声が聞こえてきた。
「わかりました。
ほら、お姉様。
行きましょう」
私はそう言ってお姉様を引き剥がします。
「そうだね。
じゃあ、手を繋いで行こうか」
お姉様は立ち上がり私に左手を差し出します。
「もう。
私はもう子供じゃないんですよ」
そう言いながらも私はお姉様の手を掴み立ち上ります。
まあ、今まで色々語ってきましたが、結局言いたいのは、私がお姉様のことを世界で一番愛しているということだけです!
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