60【目がぁ!】
それからは何事もなく決勝トーナメント出場者が出そろい、出場者発表もソツなくこなしてアドニス様と家に戻る。
「ただいまー」
「おじゃまするよ」
「じゃあ、私は着替えたりしてくるので、また夕食の時に会いましょう」
「ああ、わかった。
また後で」
私は自室に戻り、アドニス様も客室に向かって歩き出す。
「おかえりなさいませお嬢様」
「あ、ロゼ。
ただいま」
いつの間にか現れたロゼに挨拶する。
「ふぅ〜。
今日は疲れたね〜」
「そうですね。
身体的にって言うより精神的にですけどね」
今日はただでさえ初めてする第二回リバーシ大会の最初の開始宣言と説明だけでもだいぶ緊張して疲れたのにアドニス様がいきなり現れたり、変な護衛に絡まれたりとプラスで精神面で疲れた。
「ロゼ〜先にお風呂入りたい」
「そう言うと思ってちゃんと準備しております。
どうぞ」
「さすが!」
そして風呂に入りロゼに洗ってもらう。
「ふぅ〜気持ちいいねぇー」
先に体を洗ってもらい今は頭を洗ってもらっている。
「いつも思うんですけど、お嬢様の髪って綺麗ですよね」
「ロゼが髪を綺麗にしてくれてるからよ〜」
私はロゼに髪を洗ってもらい気持ちいいなぁ〜と思いながら答える。
「それだけでこんなに綺麗になりませんよ。
もとがいいんですね」
「ん〜ありがとう〜。
でも、ちょっとバッサリ切りたいなぁ〜って思っているんだよね〜。
剣の訓練とかの時、邪魔なんだよ」
「は?」
「え?」
ロゼの声が怖い声を出し洗っていた手を止めた。
「ダメに決まってるじゃないですか!
髪を切るぐらいなら剣なんて辞めてください!」
「ろ、ロゼさん?」
「私がどんな思いでこの髪を手入れしているのかわかっているんですか!?」
なに!?
ロゼってそんなに私の髪が好きなの!?
ちょっと、いやめっちゃ怖い!
「わ、わかったから!
切らないから!」
「そうしてください」
ロゼの声色が戻り髪を洗っていた手も動き始めた。
あー怖かった。
もうロゼに髪の話はやめとこう。
「おー綺麗な風呂だな」
再度、目を瞑り気持ちよく髪を洗われていた時、一人の男の人の声がお風呂場に響いた。
「「「え?」」」
私、ロゼ、謎の男の声が被った。
「あ、アドニス様!」
「わ、わるい!」
「あ、痛い!
目が!
目がぁ!」
私が目を開けて男の人を確認するとアドニス様だった。
そして、確認するために目を開けた時にシャンプーが目に入りめちゃくちゃ痛い!
「大丈夫ですか!
目をあまり擦ってはダメです!」
「悪い!
俺は出てるから!」
そう言ってドアが閉まる音がしたのでアドニス様は出て行ったのだろう。
「ふぅ〜」
何やかんやあったが風呂から上がり部屋でゆっくりしている。
コンコン
「はい?」
「あ〜俺だ」
「アドニス様ですか?
どうぞ」
ガチャと扉を開けアドニス様が部屋に入ってくる。
「あ〜あのなぁ」
「まあまあ、とりあえず。
座ってください」
とりあえずアドニス様に座ってもらう。
「冷静なんだな。
もっと怒ってたり恥ずかしがったりするもんだと思ってたよ」
「言いたいことはそれだけですか?」
別に怒ってはいないが、少し怒ったふうに言ってみる。
「いや、本当にすまなかった」
「まあ、いいでしょう。
そもそも私は怒ったりしてないですし」
「えーと、何故と聞いていいのか?」
「だって今更だと思いませんか?
私達は、アドニス様の婚約者候補ですしこのままいけばアドニス様と結婚するわけですよね?
こんなことで恥ずかしがってたらやっていけないと思うんですよ」
「まあ、その通りって言ったらその通りだがな」
「ここまでして、私を変な理由で裏切ったら許しませんけど、そんなことはしないでしょ?」
「ああ、誓ってそんなことはしない」
「じゃあ、何の問題もありませんね」
アドニス様に笑いかける。
「お嬢様、夕食の準備が整いました」
「わかったわ」
夕食の準備が出来たみたいでメイドが呼びに来てくれた。
「アドニス様行きましょうか」
そうして私達は食堂に向かった。
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