14【魔物】
私のモチベのためにも評価をくれると幸いです。
「次に魔物について話をしましょう」
そうなのである。乙女ゲーではいたのかはわからないが、今のこの世界には魔物が存在する。
しかし、魔物と聞いてみんなが想像するような、ゴブリンやオークと言ったものではない。
「魔物ってあの良くない魔力に当てられすぎた生物がその魔力によって強化され、暴れ回るってやつですよね?」
「そうです。
だいたいそれで合ってますよ。
私たちが魔法を使えるのもこの世界に魔力が溢れているからなんです。
その魔力はどの場所にも一定にある訳ではありませんし、魔力の質も多少異なります。
魔力が多いところだと魔力回復が早くなりしますし、逆に少ないと魔力回復が遅くなったりするんです。
これだけ聞くと魔力が多ければ多いほどいいように聞こえますが、そういう訳ではないのです。
魔力は多すぎると毒になってしまうのです。
発症率はとても低い病気ですが、体から魔力を放出することが出来なくなり、高熱をだし、死亡するという病気もあるぐらいです」
「そうなんですね。
私も魔力は多いところの方がいいと思っていました」
「そして、さっき言ったように魔力の質も多少違うんです。
ほとんどの場所ではそこまで変化はありませんが、この大陸で4箇所とても魔力の質の悪い所があるんです。
場所で言うと、3大国に1個づつと大陸の東の端に1個あります。」
「へぇー、じゃあ3大国は国が大きい代わりに爆弾を1つ抱えているって言うことなんですね」
「まあ、そういうことですね。
そこに長い間いる生物が魔物になるんです。
基本魔物達はその場所から出てくることはありません。
しかし、ごく稀に魔物化した生物が人里まで降りてくることがあるんです。
その魔物は魔力が切れるまで、大体2、3日ぐらい暴れ回るんです」
「それは結構まずいことですよね?」
「そうですよ。
すぐに対処しなければ甚大な被害が出るでしょう。
この国の魔物生息地帯はエレナ様のお父様が治めているネニュファール領の端にあるんです。
なのでネニュファール家は公爵家という高い地位が与えられている代わりにその武力によって魔物を倒す役割も持っているんです。
ですので、ネニュファール家の騎士団はめちゃくちゃ強いですよ。
近衛騎士団なんかよりもはるかに」
「へぇー、あの人たちってそんなに強かったんだ!
ただの優しいおっちゃん達だと思っていました。
しかし、近衛騎士団より強いって大丈夫なんですか?
どこかの貴族とかが文句言いませんか?」
「そんなことはありませんよ。
なぜならそんなこと言うと、じゃあ、お前が魔物を倒せよ?と言われるのが目に見えているからです」
「それもそうですね。
それと思ったのですが、そんなに重要な役割を持っているネニュファールのトップがあまり戦えないお父様でいいのですか?」
「前当主、エレナ様のお爺様ですね。
その時までは当主はとても強かったらしいですよ。
ブレイン様も子供の頃はとても厳しい指導をされていたらしいです。
しかし、戦いの才能が全く伸びない代わりに賢さや交渉術などの他の才能がどんどん伸びていき、前当主も戦えなくてもそれだけのことが出来れば大丈夫だろうと、ブレイン様に当主を譲ったのだそうです」
「そうなんですね。
お爺様とはたまにしか会いませんが、戦っている姿を見たことはありませんね。
私の前では、孫が可愛くて仕方ないどこにでもいるおじいちゃんって感じですけど。
お父様は、そんなに頭良かったんですね。
ちょっと見直しました」
「鬼神とまで言われた前当主が孫が可愛くて仕方ないおじいちゃんって、時代も変わりましたね。」
ヴィルデさんが少し遠い目をした。
そんなにお爺様強かったんですかね?
今度、教えてもらおうかな?
「これが魔物の大まかなことになっています。
どうですかエレナ様、わかりましたか?」
「はいわかりました」
「今日は初日ですしこのぐらいで終わりましょうか」
こうして今日の授業は終わった。