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10【家庭教師、到来!】

お父様達と話をした日から約1ヶ月が経過した。


今日は、家庭教師との初面会の日になる。


この家庭教師さんが私に勉強、魔法、剣術、の全てを教えてくれる先生になるらしいからとても優秀なんだろう。


とりあえず勉強と魔法の基礎を最初に学び、ある程度、お互いが信用出来るようになってから剣術の稽古に入ることになるだろうとお父様が言っていた。


相変わらずお父様は慎重である。


どんな人が来るのかなぁー優秀な人って怖い人のイメージがあるからこわいなぁー。


などと考えつつ私は自分の部屋で家庭教師が来るのを待っていた。


「お嬢様、家庭教師の方がいらっしゃいました。

旦那様がお部屋でお話しているから準備の出来次第来なさいとのことです」


そうロゼが呼びに来た。


「わかったわロゼ。

準備は出来ているから行きましょ」


そのままロゼと一緒にお父様の部屋に向かった。


トントン


「お父様、エレナです」


「入りなさい」


「失礼します」


私は挨拶をして入った。

入ってすぐに目に付いたのは、髪をポニーテールに結んだとてもカッコイイ美人さんだった。


剣術の稽古も一緒にしてくれるとの事だったのでてっきり男の人だと思っていたので少し驚いた。


「エレナ、こちらが今日からお前の家庭教師をしてくれるヴィルデ・ブラムブルだ。

挨拶しなさい」


お父様にそう言われて慌てて挨拶をした。


「はじめまして、ネニュファール家の長女、エレスティーナ・ネニュファールです。長いのでエレナと呼んでください。

これからよろしくお願いします」


初めてこんなしっかりとした挨拶をしたので、ちゃんと言えるか心配だったが、言い切ることが出来て心の中で安堵した。

ブラムブルって家名が付いてるってことは貴族なのかな?

私の家庭教師していてもいいんだろうか?


「はい、初めまして、ヴィルデ・ブラムブルです。

こちらこよろしくお願いします」


そうしっかりと挨拶を返しながらもヴィルデさんは私を見て何か驚いているようだった。


「どうかしましたか?」


疑問に思った私が質問した。


「いえ、すみません。

エレナ様は本当に5歳なのですか?

普通5歳の子がこんなにしっかりとした挨拶をしたりしませんし、ブレイン様を説得出来るなんてことはありえないと思うのですが?」


私に謝ってからお父様にそう質問した。


「そうだぞ!正真正銘の5歳だ!

凄いだろ!我が娘は!」


流石の親バカである。


この際なのでさっきの疑問も聞いてみよう。


「あの、こっちからも質問いいですか?」


「はい、何でもどうぞ」


「それでは、ブラムブルって家名が付いていると言うことは貴族なのですよね?

私の家庭教師をしていても大丈夫なのですか?」


「えーと」


「それについては俺が答えよう。

お前の言った通りブラムブル家は子爵家だ。

そしてこの子は、そこの次女だ。

この子は勉強も魔法も剣術もとても優秀な成績を収めていた。

だがこの子はしっかりと礼儀は出来るんだが、見た通りお嬢様と言うよりは騎士って感じで、男が寄り付きにくく、その上、自分より弱いやつと結婚する気も下につく気もないって言うワガママっ子なんだ。

なのでまだ結婚も出来ずに実家で鍛錬の日々を過ごしていたらしい。

その事を私は知っていたのでエレナの家庭教師にピッタリだと思い依頼したんだ」


こう言っては悪いが見た目どおりの人らしい。


そこでふと疑問に思った私も今から剣術を教わるので素人だし、お父様も強いって聞いたことはない。

この人は本当に家庭教師をしてくれるのだろうか?


「何となくわかりましたが、ヴィルデさんはいいんですか?

私もお父様も多分あなたには勝てないですよ?」


「あ、ごめんエレナ。

ヴィルデは最初断ろうとしてきたんだが1度でいいからエレナに会ってみてそれでも嫌だったらこの話はなしにするって約束しているんだ。

で、うちの娘はどうだね?ヴィルデ」


「はい、もう決まりました。

どうか私にエレナ様の家庭教師をやらせてください」


「そうか!ありがとう!

しかし、本当に一目見ただけでいいのかい?

一応この後2人で話してから決定してもらおうと思ってたんだが」


「いいえ、もう大丈夫です。

エレナ様は将来私より凄い剣士になれる。

そう一目見ただけで確信出来ましたから」


「そうか!

それではエレナを頼むぞ。

当分は勉強と魔法基礎を教えてやってくれ。

そしてお互いのことがある程度わかってきてから剣術を教えてやってくれ。

いきなり大きな怪我をされたら困るのでな」


「はい、わかりました。

それともう1つお願いがあるのですがよろしいですか?」


「なんだい?言ってみなさい」


「私をエレナ様の家庭教師兼護衛にして頂けませんか?」


「いいのか?お前は自分より弱いやつの下につきたくないのだろ?」


護衛は家庭教師とは違い完全に私やお父様の下につくと言う形になるので、お父様が確認をとった。


「はい、大丈夫です。

将来エレナ様は私の立派な雇い主になってくれると信じてますから」


「うむ、わかった。

じゃあ、頼んだ。

部屋も用意させよう。

引越しの準備もあるだろうから、来週からうちに住みなさい」


「はい、ありがとうございます」


私の預かり知らぬところでどんどん話が進んでいく。

ちょー置いてかないでよー!

ヴィルデさんは私をやたら持ち上げてくるし、もう全然わからないんだけど!


「エレナ、ヴィルデと少し話してきなさい。

本格的な勉強は明日からしてもらうから今日は、自己紹介など、お互いのことを話してきなさい」


「はい、わかりました。

それではヴィルデさん、私の部屋に行きましょう」


「はい、エレナ様」


そうしてエレナとヴィルデはエレナの部屋に向かっていった。


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