お前姫だったんだ?!
表彰式のあと、スピーチだの王様の長い話(校長並み)を延々と聞くだの
もう疲れちゃった俺は今すぐにでも家に帰りたかったが
表彰式の前に俺を着替える部屋に通してくれた執事の人に
呼び止められ16畳ほどの部屋に連れていかれた。
ちなみにその執事は名前をウィルというらしい。
部屋に入ると大きな縦の長いテーブルが一つ、そして椅子が左側に3つ、右側にも3つ置いてあった。
ウィルのすすめられるままに手前の右の席に着くと
紅茶のような液体とクッキーを出され「少々お待ちください」と言うとウィルは部屋を出て行った。
とりあえず出された飲み物に口をつけると...ローズヒップティーだろうか。
とてもいい香りが鼻腔を満たした。
ついでにと手を伸ばしたクッキーも焼き立てのように香ばしい香りがした。
普段家で飲んでいる安い紅茶やぱさぱさの不味いクッキーとは違う
とても高級そうな味だった。
紅茶とクッキーを堪能していると不意にノックの音が聞こえた。
ドアのほうを見るとドアを開け少し後ずさったウィルと
表彰式の最中に横でずっとニコニコしていた
かわいらしい同年代であろう女の子が立っていた。
彼女は式で来ていた堅苦しいドレスを脱ぎ
かなりラフなワンピースを着ていた。
そしてこちらを見てにこっと笑うと俺の向かいの席についた。
俺が怪訝そうにしているとウィルが横に来てボソッと
「...どうしました?あなたが助け出した姫…シャルロット様ですよ」と言った。
彼女は最期の部分だけ聞こえていたらしく、「シャルでいいですよ」と明るく言った。
ていうか今なんて言った?いま目の前に座ってる子がお姫様?
俺が助けたあのお姫様?こんなかわいい女の子が?
姫とかいらないって思ってた2時間前の自分を殴りたい。
...やばい。俄然やる気わいてきた。だって魔王殺れたら俺の嫁だろ?
おい魔王。覚悟してやがれ。絶対殺す。
明日は投稿お休みすると思います。ごめんなさい。
皆さんも良いクリスマスをお過ごしください。