スピーチ...だと?
「皆さんこんにちわ。僕は1か月前この町を出てからずっとこの町を恋しく思っていました。
姫を奪還し、無事この町に戻れたことは奇跡に近いでしょう。
今ここにいられるのは皆様のご支援とご協力のおかげです。
本当にありがとうございます」
何を言えばいいかわからなかった俺はこんな滑り出しで話し始めた。
よく考えると投票で当選した市長みたいだね。15歳が言うことじゃないよね。
そう思い少し後悔し始めていると観客からは声援が上がった。
こんな感じで話してOKなんだな。そう調子に乗った俺は適当にでっち上げを話し始めた。
王様の話によると俺は一人で旅をしていたらしいから魔王までの冒険を知っているのは俺だけ。
ということは何を言っても大丈夫なわけだ。
それから僕は色々なことを話した。例えば町を出て3日後に倒した魔物の話や
途中で寄った宿屋でけんかを仲裁した話。魔王の部下である100体の悪魔との闘い。
そしてメインである魔王本人との激闘。
一つ一つ話すたびに声援が上がる。まあ全部嘘だけど。
そして最期に俺はこう締めくくった。
「しかし僕は惜しくも魔王を完全に殺すことができませんでした。
なので僕は7日後にもう一度旅に出ます!応援よろしくお願いします」
またもや歓声がわきおこった。
そこからは王様のスピーチに始まり、僕の表彰式で終わった。
歓声に後押しされ会場を後にした俺が考えていたのは
...あれ?そういえば俺の横でずっとニコニコしてた女の子は誰だったんだ?
ということだった。
短いのは許してください。
あと2,3回はこの短さです(´・ω・`)
あと次の話でお姫様出てくる予定ですよ。