朝ごはんにて
一回に降りると、そこにはサラダにパン、牛乳などのいろいろな料理が並んでいた。
食器の数は2セット。
俺の家に両親はいない。俺が12歳、姫奈が10歳の時に交通事故にあい、
俺たち兄妹を置いてあっけなく逝ってしまった。
俺の性格がゆがんだのはその時からだろうか。
いや、もともとこういう性格だったんだろう。
両親の葬式で隣にいた姫奈は泣いていたが俺は泣けなかった。
俺たちを置いて死んだ両親に怒りさえ感じていた。
葬式の後、俺たちの面倒を見ると言っていた叔父夫婦も最初のころこそ優しかったが、
こ愛想の悪い俺に嫌気がさしたのか、2日に一度は俺らの家に来ていたのが
だんだんと来なくなりここ1年半は生活費は振り込んでくれるものの家には全く来なくなった。
だから家事はほとんど姫奈に任せてしまっていた。
これからは俺も家事を手伝おうと決心した。
そんなことを考えながらテーブルに着くと姫奈は牛乳をコップに注いでくれた。
2人共無言で朝食を食べていると唐突に姫奈が
「お兄ちゃんも結婚か」
とつぶやいた。
「そ、そうだな」
とりあえず話を合わせよう。と、その時姫奈が妙に寂しそうな顔をしているのに気付いた。
「姫奈?どうしたんだ?」
「え?何でもないよ!ほら!どんどん食べて!」
と、表情を元の笑顔に戻しながら言った。
「そうか。なんかあったら俺に言えよな」
と久しぶりに兄貴面してみると姫奈は「ありがとう」と笑顔で答えた。
朝食を食べ終わった俺は姫奈が差し出してきたバックを手に玄関へ向かった。
そういえばなぜ玄関の位置を知っているのだろう。
玄関のきれいなステンドガラス?がはめられたドアを開けた。
その時姫奈が、「お兄ちゃん、私も後で行くから頑張ってね!行ってらっしゃい!」と言われた。
「おう!行ってきます!」
そう答えた俺は玄関の外へと飛び出した。
2話目です。ハイ。