17話
ティーガーⅠの主砲は56口径8.8cmKwK36と言う砲だ使用する砲弾は複数個あったが今回は8.8cmPzGr40と呼ばれる徹甲弾を撃つ。
距離1000メートルで140ミリの装甲を撃ち抜く事が可能な砲弾である。距離は800メートル。外し様が無い。車長たるxX-ROAS-Xx以外は全員現地人で外見と胸だけで選んだハーレム戦車な乗員構成だ。
勿論、外面だけで選んだが、夫々の得意不得意な部分を鑑み、さらに言えば此処に来て早1年半程は経った。乗員の練度も中々のものであると、自負している。
最も初弾は74式戦車の砲塔外縁部に当たり乗り込もうとしていた車長と装填手のメイドを吹き飛ばしただけでほぼ無傷だった。
「よっしゃ!
車長と装填手消したで!」
砲手で魔族の小柄な少女が接眼レンズから目を離して車長を見る。
「良くやった!流石だ!」
次の瞬間、ゴッと鈍い音と衝撃が車内を駆け巡り、ドンと砲声が聞こえた。何だ?と聞くまでもない。74式戦車の反撃だった。薬室に一発だけ装填されていたのだろう、74式戦車が保有し、この世界で最も貫徹能力、射程の長い砲弾。93式装弾筒付翼安定徹甲弾、通称DSが飛んできたのだ。
「損害報告!?」
ローズは慌てて叫んだ。車内無線が繋がらない。
「どうなってんだ!?」
ローズが通信手を見てくれと、装填手のドワーフを見るがドワーフは腹に大穴を開けて装填手席で息絶えていた。通信手席から浸徹した弾頭は着弾の衝撃で角度が変わり、通信手及び通信機材を破壊、その後装填手の腹に大穴を拵えて砲塔後部から抜け出ていったのだ。
「嘘だろ?」
「車長!ローズどうすんのや!?」
砲手に叫ばれて慌てて指示を出そうとしたその時、再び衝撃が走る。次の瞬間、砲手の魔族が消し飛び予備弾薬に着弾しローズは砲塔諸共吹き飛んだ。
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陸上自衛隊機甲科に置いて装填手と言う役職は一番下の役職にあたる。アメリカ軍に置いては車長の次に偉い存在であり、車長が死亡或いは負傷して指揮が取れぬ場合は装填手が指揮を執るのだ。
サイカは目の前でシマダとアキヤマが吹き飛んだのを目撃し、装填手が車長の次にから偉くなくて良かったと安堵のため息を吐いた。
「車長装填手共に死亡指揮継承権第二位の私が車長復帰までの間本車両の指揮を取ります」
《操縦手了解》
サイカは素早くFCSを完全に起動させ、照準用のレーザーを撃つ。距離は804メートル。砲塔にはAPFSDSを込めた。マーリンとヨハンナが中に入った直後に砲弾は当たり、弾いた。貫通はせず跳弾しただけだが、その衝撃は凄まじい。
ヨハンナもマーリンも砲塔や即応弾にもたれ掛かって唸っていた。
「砲から離れて!」
サイカは二人に怒鳴り付けるように叫ぶといち早く復帰したヨハンナはマーリンの肩を抱くように砲から離して、装填手席に座らせた。
「私は何をやれば良い!」
そして、ヨハンナは砲手席から車長席に移動してオーバーライド機能で砲を操作し始めたサイカに尋ねた。
「砲を撃ったら、そこの部分が開きます。
なので、頭が尖っている弾を込めて下さい」
「これね!」
「はい。それでは砲から離れて」
サイカはヨハンナとマーリンが砲尾から離れたのを確認すると狙いを定める。
狙うは車体の変速装置。この距離ならば74ならば何処を撃っても貫通出来る。
車長の仇だ。ティーガー中央を狙うが前方機銃手が豆鉄砲を撃ってくる。相手も効かないとは分かっているだろうが、照準器やキューポラ目掛けて撃てば貫通はしないが見にくくなり嫌がらせができる。
そして、相手の放った一発がシマダ、或いはアキヤマに当たったのだろう血が砲手用の潜望鏡に跳ねた。
何と無礼な奴なのだろう。サイカは狙いを修正して前方機銃手に狙いを定めて撃発ボタンを押した。ドッと粉塵が舞い上がり、前方機銃手の居るであろう箇所に大穴を開けた。
サイカはすぐにでも接眼レンズから目を離してヨハンナに指示を出す。
「即応弾、そこに立て掛けてある弾を抜いて下さい」
「これね!」
ヨハンナは直に即応弾からAPFSDS弾を取ると、手に抱える。ほの重力はかなりの物だったが、命が掛かっている以上重いなんて言ってられないし、そもそもこの程度の重量物など屁でもない。
「はい、そうです。それをここに針の方から入れてください」
サイカは砲尾を指差す。ヨハンナはそれをヨタヨタと持って先頭を閉鎖機に乗せた。
「拳を作って尻を素早く押すように装填。砲弾が入ると同時に手を砲尾から離して下さい。腕を食われますよ」
「わ、分かったわ」
ヨハンナは拳で砲弾の底を押し、砲弾が完全に入ると同時に手を素早く切り欠けから抜いた。ガチャンと閉鎖機が迫り上がると砲尾を閉鎖した。
「左にカバーの付いたボタンがあるはずです。
そこを開いてボタンを押して下さい」
ヨハンナは素早く砲の周りを見渡す。
「これか?」
衝撃から漸く回復したマーリンが赤いパネルに覆われたボタンを見つけ、素早く開いてボタンを押し込んだ。
「完璧です。砲から離れて!」
狙いは砲塔。砲手側だ。例え外しても砲手か砲自体に何等かの損害を与えれる筈だと考えたのだ。ティーガーの砲塔正面装甲は180ミリしか無い。
APFSDS弾ならお釣りが来る。サイカは再度撃発ボタンを押した。
発射された砲弾は瞬きする間もなく砲塔に左側面に着弾し、一拍遅れて砲塔のハッチ全てから炎が吹き出した。内部の弾薬に当たったのだろう。
サイカが束の間の安全に安堵したが、ガロンガシャンと音がしたので見てみればヨハンナとマーリンが次弾を装填していた。
「帰りましょう。
暫らくしたら二人とも復帰してくるでしょう。お二人はこのまま中に居て下さい」
シマダはまた復帰しない。
シマダが復帰するまでは何としてもこの車両を守り抜かねばいけないのだ。それが、サイカに与えられた最優先事項。しかし、それまでただ座して待つわけではない。シマダは死んだがシマダが受けた命令は有効だ。指揮の継承をしたサイカはその命令も受け継いでいる。
サイカはその命令を遂行する事にした。
「貴女方は初級機甲MOSを持っていませんが、装填動作は出来ますね」
「ええ、任せて下さい」
「では、この洋裁あkら突破する際に何度か戦う羽目になるでしょう。その際、あなた方には死亡したアキヤマの代わりに装填手として戦って貰います」
「若輩ながら任せて下さい、はい」
サイカの言葉にヨハンナとマーリンは強く頷いた。
二人の言葉にサイカは頷いてからサトウに指示を出す。目指すは入場してきた正面門だ。正面門は分厚いコンクリート製であるため、あそこが閉められると脱出はかなり苦戦することだろう。サイカは車長用キューポラから顔を出す。正門は開いている。しかし、閉門をしているのかそのコンクリート壁は降りてきていた。
「操縦手、高姿勢ストールの高回転で行きなさい」
《構わんが、下手をすると門を出たところでエンジンが焼け付くぞ》
「門の外に出れればどうにでもなります。
やりなさい」
サトウはその命令に高姿勢とストール発進の態勢で答えた。
高姿勢での移動は高速移動に適しており、更に言えばストール発進をすることで最高速までの時間が短縮出来る。
クオォォンと甲高いエンジン音が唸り、回転数はアッという間に1800に達する。
《準備よし》
「前へ」
74式戦車は第三世代戦車、つまり自衛隊の90式戦車、レオパルド2、エイブラムスA1A2に勝るとも劣らない加速力を持つ。本来、ストール発進後は僚車と足並みをそろえて走るが今はそんな物居ない。
アクセルベタ踏みで若干の後傾になりつつ飛ぶ様に走る74式戦車は門までの一キロ半を30秒程で駆け抜けて門は閉まった。
「抜けました。
速度落とせ。砲塔旋回右、後方警戒」
サイカは砲を後方に向けて要塞を警戒する。要塞上部には次々と旧式の大砲が並び始める。サイカは直ぐに装填手席に移動して、連装銃たる74式車載機関銃の説明を兼ねたセッティングにはいる。
「聞いて下さい。
これは連装銃。ここを開けて、この箱の中の弾帯をセットします」
サイカは二人に説明をすると、マーリンもヨハンナも頷いた。
「セットしたら、この場所を引きます。
すると、音がするので更にもう一度引きます」
良いですね?と確認を取ると、二人は頷いた。
サイカは予備の箱はここに有りますと予備弾薬箱が置かれた場所を教えてから車長席に戻る。そして、旧式大砲目掛けて連装銃を撃った。牽制だ。
ダララララとドラムロールの様な発砲音。弾の殆どは外縁部に当たり弾かれるが、準備をする側には堪ったもんじゃない。慌てて伏せたりその場から離れたりして身を守る。そして、74式戦車は発発を発動して濃密な白煙に紛れて消え去ったのだった。追撃を出すべきなのだが、直ぐに行動できて尚且つある程度の攻撃力防護力のある戦車はプレイヤー死亡で動けない。
結果としてロスターク側は完全に負けた形になったのだった。
因みにシマダが復活したのは死亡してから三日後の74式戦車がセラス達の部隊と合流してからだった。
多分作中の距離でティーガーとバトっても74式戦車は勝てる
一応ネットの情報攫って確認したから大丈夫
のはず
それとタイトルとあらすじチョロっと変えてみた
タイトルの間違いを探せたら好きな戦車(一世代位まで)を出してあげる権利を進呈します




