関係は続く
気持ちの持ちようによって月日の経過とは異なる。そんな中でわたしは比較的早いと感じる身であった。あの体験から数週間が過ぎ、わたしは吹き荒れる桜の雨を浴びながら真っ直ぐに道を歩いていた。
春休みが終わり、入学式となった今日。わたしは両親と歩いて新たな学びやへと向かった。入学式というものは大体が体育館で行われる。まれにマンモス校と呼ばれる私立などでは教室による校長の放送で入学式を済ませてしまう所もあるという。ちなみにこれは父から聞いた本当の話である。
古びた埃臭い体育館に押し込められたわたしは指定されたパイプ椅子に座り込み時を待った。やがて入学式は鐘の音と同時に始まりを告げた。
入学式というものは開会の言葉から始まり、祝辞、校長の話、国歌、校歌と続くなかなかで長いイベントが待っている物。これを如何にして寝ずに過ごすかというのが新入生に課せられた最初の使命だ。しかし、校長の話はやはり退屈で欠伸を殺すのには大変苦労した。内容など覚える暇など一切なく、わたしは必死に欠伸と闘っていた。けれど、そんな校長の話がある一つの事で飛んだ事により、先ほどまで起きていた眠気が遠くの方へと追いやられてしまった。どうやら入学式と同時に新任教師の発表までするというらしい。そんなの後日の朝会でやって欲しいと思いながら、見つめていると何処か見知った顔だと気付いた。どこであろうかと思いめぐらす中、やっと思い出した時わたしはハッとした。
「皆様、ご入学おめでとうございます。
お……失礼、私も皆様と同じように新しくこの学びやに足を踏み入れた者です。
これから共に三年間、忘れられない素晴らしい思い出を一緒に作れたら幸せです」
綺麗な顔で綺麗に終わらす男を見つめ、わたしは愕然とした。あのやたら小奇麗な顔はやはり女性には人気なのかあちらこちらで甲高い声や興奮する声が聞こえた。しかしそれとは裏腹に、わたしの心は絶望で打ちひしがれていた。
どうやらコレから先、わたしはあの”傍迷惑な鴉”と三年間共になっていまったらしい。




